自己紹介に秘められた価値の大きさを実感した出来事。自分には何もない？本当にそうですか？

自己紹介が秘める価値の大きさに気付いた大きなきっかけは、一時期在籍していた起業塾での勉強会でした。

起業塾での自己紹介練習

その勉強会では、20人程の塾生徒間で自己紹介コンテストを行い、もっと話を聞いてみたいと思えた自己紹介の上位3位を挙げるという内容でした。

副業や起業に関心を持ちその起業塾に通い始めたのですが、当時私はいろいろなアイデアが溢れてはいるものの、方向性が全く定まっていない状態で、自分の企業内容はおろか、今後の具体的な目標も語れないという状態でした。

他の参加者が、詳細なプランや方針を次々と語るなか、私は全く漠然とした内容の自己紹介をしました。

はっきりは覚えていないのですが、自分の脳内にはいつもたくさんのアイデアが跳ね回っていて、とっ散らかっている状態であること、そして、自分の中に点在するバラバラの情報を、いろんなところから引っ張り出し混ぜ合わせるのが好きなので、この自分の特徴を生かして、何か新しいものを創り出したいと思っています、というようなことを話しました。

自己紹介に対しての見方が変わる

自然体の自分をただ語っただけ、という感じでしたが、何と3位内に入ったもので、ビックリしました。

輝かしい実績もなければ特筆すべきバックグラウンドもない。具体的な数値や目標も何も含まれていない自己紹介でも、人の心を捉えることができるというのが、ただただ驚きでした。

入賞の理由として「よく分からないけど、この人は今後どんなことをするんだろうと思うものがあって、もっと話を聞いてみたいと思った」という感想をいただきました。

何も具体性がありませんから、まさに“よく分からない”んですけど、それでも人は関心を持つものなんだと、半ばポカンという驚きで、これまでに受けたことのない不思議な感覚を覚えました。

全く予定は未定、内容は未だ真っ白という状態でも、“何か分からないけど、この人は何かやりそう”“なんとなく面白そうな人”と思わせることができれば、人を惹きつけることができるんだ、という大きな発見でもありました。

この経験から、“自分には何もない”と思っていても、きっと何か必ずある。それを掘って、断片的にでも言葉にできれば、人の心を掴むことができるんだと思うようになりました。

また、どんな小さなことでも、「私はこういうことをしたいです」と語ることで、賛同者や協力者に出会える確率を上げることができる。

これまで自己紹介に対してそれほど注意を払ってこなかったけれど、もしかして、ものすごい価値を秘めてるんじゃないか…と思い始め、そこからより意識するようになりました。

試行錯誤が面白い！

例えばイベントなら、出席者の年齢、性別、他の参加者の関心事から内容を変えるとか、その状況によって表現のくだけ具合を調整するなど、工夫するようになりました。

この時のコンテストは、塾生同士の単なる練習の場で、ガチガチに緊張するような状況ではなかったことで、自分自身がリラックスしており、私の話しぶりから“こんなに何も決まっていませんけど、ワクワクしています”という楽しそうな気持ちが伝わったことも、大きかったのではないかと思います。

例えばお祭りの時などは、遠くからお囃子が聞こえてきたり、香ばしい匂いが漂ってきたりすると、勝手に期待が膨らんで足が向きますもんね。

試行錯誤を続けるうちに、この“楽しさを自然に醸し出す”ということと、聴衆一人一人に目を配り、「あなたに話しかけていますよ」というメッセージを送ることも、相手を引き込むための鍵だと感じるようになりました。

さらには、一方的に“自分”を押し付ける内容ではなく「あなたにこんな好影響を与えられるかもしれない」という可能性を感じさせる内容を盛り込んだり、「一緒にやりませんか」と一体感を与えるようなスピーチにすると、より相手を惹きつけることができるなと思い、研究を続けています。

自己紹介って、自分を売り込む営業活動でもありますもんね。ビジネスに繋がり収入が増えるとかそういったことだけではなく、自分の世界や可能性を広げ人生をより豊かにするものだと受け止めれば、取り組み方も変わってくるのではと思います。

やってみるとめちゃくちゃ奥が深く、面白いです。

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