商店街のハローワーク
ここ数年、ブティックが入居しているビルの上の住人である60代前後の男性が、よく店を訪ねてくるそうです。
もちろん、お買い物をされるわけではなく、脚立代わりに椅子を貸して欲しい、といった類の要件でいらっしゃるようです。
私としては、誰でも敷居をまたぎやすい店、と思うとほっこりもしますが、椅子を借りるたびに、いや、何となく通りかかった際に差し入れを持ってきて下さることに、他ならぬ私の娘が喜んでいたりします。
そんなおじさんに、先日母は、おじさんからの話の流れでご近所のタクシー会社への職業を斡旋したようです。
おじさんの最近のご事情やまだ働きたいという意思を聞き、お客様が働かれているタクシー会社へ求人について問い合わせ、面接をセッティングしたとか・・
その後、面接に行った先のタクシー会社の従業員も、そして、面接に行ったおじさんも、それぞれに、お礼かたがた店を覗いて下さったようです。
ブティックですけど、何か?(笑)
以前もメーカーの営業マンが仕事を辞めた時にも、どこかを紹介していたみたいだし、取引先の人が転職したらしたで、異業種になっても顔を覗きにきてくれているようです。
ハローワーク以外にも、結婚相談所になったり、お悩み相談所、病院斡旋所、【ぐるなび】ばりのグルメ情報基地になっていたり、まるでちょっとした電話帳みたいだな、と思っています。
いつも【そこに在る店】として、最近では、もはや何を売っているかは関係なくなっている気すらしています。そして母は、今では【そこにいつも居る店主】であることが、本人の明日への力になっているような気がしています。
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