気持ちから逃れるには、人の目を借りる。
どうしても悲しいときや、どうしても怒りが収まらないとき。
いくら冷静になろうと思っても、うまくいかない。
そんな風に気持ちに溺れるのは、自分に意識が集中しすぎているからだと気が付いた。
正しくは、自分に意識が集中し過ぎていたと、後から思った。
今の、自分。
それが全てになっていて、その今が全体で見たらどんな未来に繋がるのか、自分は社会全体でどんな場所にいるのかが、わからなくなってしまうのだ。
もちろん、未来や過去を見にいったり、自分の目以外で世界を見ることなんて、いつだってできない。
でも、冷静なときは、見聞きした話や過去の経験と照らし合わせて、想像することはできる。
今の自分に意識が集中しすぎるというのは、その想像力がなくなるということなのだ。
だから、その想像力を思い出し、感情の波から抜け出すには、自分への集中をやめる必要がある。
その方法が、他人の目を借りることだ。
具体的には、人に相談して、感想を聞く。それだけ。
まず人に話すことで、自分の気持ちが和らいだり、自分の状況を整理したりできる。
でもそれだけだと、話すのはあくまで自分主観の情報だから、自分が嫌いなものは悪く、自分のしたことが正しく聞こえるように伝えてしまう。
それは、仕方がないことなんだけれど、それを繰り返していても、自分に都合のいいストーリーが自分の頭にこびりつくだけだ。
だから、できれば「実際に起こったこと」を話すようにするといいかもしれない。
そしてもっと大切なのが、感想を聞くこと。
大変だねと共感してくれる人。それはあなたが悪いと怒る人。あなたはこうなんだねと冷静に分析してくれる人。人によって、いろんな感想が集まる。
はじめは、そんなことない!と跳ね返したくなる感想もあるかもしれない。
それでも、お礼はつっけんどんでもいいから、とりあえず受け取っておく。
そうすると、寝て起きたら「たしかに。」と納得できるものなのだ。納得したら、心からのお礼を伝えることも忘れずに。
納得できるアドバイスや感想に出会えなくても、いろんな人の目を通した自分の状況を聞くうちに、意識が少しずつ外側に向いてくる。自分が俯瞰できるようになっていく。
相談する人数が増えるごとに、少しずつ。
感情は素敵なものだけれど、操縦しづらいのがたまにきず。付き合い方をゆっくり学んでいきたい。
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