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僕だけが知っている夜には。


わからず屋だから戦って
何度も何度も教えられる
へし折られてはまた接続して
さぞかし立派な問答でも
マイナスに還しているに過ぎない

単純でいいのだけれど
本当は
簡単でいいのだけれど
わざわざ遠回りして描いた線が
何か特別のように思えるだけ

「そんなものはありはしなくて」
諦めのように聞こえたままでは
立ち上がってなど居ないのかもしれない
「そんなものはありはしなくて」
嘘のつもりすらないから
君とはまた時間が合わない

知らなくても良いのだけど
本当に
忘れてくれても良いのだけど
わざわざ積み上げて崩した方が
何か学びのように意識されそう
ゆえに

「そんなものはありはしなくて」
君が思うほど、そんなに。
僕を買い被っているだけなのかも

「そんなものはありはしなくて」
恐れているのは多分君自身なのかも

金輪際
不自由な思考を捨て置いて
幸せになれればいいのに、
認めちまえばいいのに、みたいな
ただひたすらに

君が君に押し潰されないように
だけど僕は
君が思うほど、そんなに。

暖かい部屋で
眠れているし。

#空白擬詩

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