受け止めやすい関わりにも個性がある
声をかけても子どもが反応しないとき、
どう行動しますか?
もう一度声をかけますか?
同じ声の大きさで?
同じ場所から?
それとも待ちますか?
こちらを見てくれるまで?
反応が見えづらいお子さん、
意図がわからない行動をするお子さんと、
日常的に関わっている方にとってこの問題は、
一度は悩んだことがあるポイントだと思います。
どう対応するかなんて、正直ケースバイケース。
とはいえ、ちょっとしたコツはあります。
それは声かけをあえて減らしてみること。
特にこちらからの指示の類をちょっと減らすこと。
あちらからの働きかけに対して関心を向けるけど、
こちらからの投げかけはちょっと待ってみる感じです。
なんでこんなことを言うかというと、
人が一時に処理できる量には限りがあるからです。
量が多いとついていけないんです。
それに、反応のペースも人それぞれ。
全体にゆっくりな子。
情報のキャッチと身体の反応速度に差がありそうな子。
それぞれに案外と違うのです。
ご本人にとって捉えやすいペースでないと、
自分に向けられた声を拾いたくても拾えません。
しかも子どもですからね。
日々が変化の真っただ中にある心と身体で、
人の世に適応している最中なのです。
声をかけられても、どこを見ればいいのか。
これは自分にかけられた声なのか。
もっと言えば、この「音」は人の声なのか。なにを意味しているのか?
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声かけに反応しない。
この背景にある問題は人によって違います。
子どもの背景を知った上で対応を考えることは大事です。
そして、
その対応は子どもにとってキャッチしやすいものであれば、
その子なりの形で返してくれるでしょう。
チラ見かもしれないし、逃げるかもしれないし、奇声かもしれないけど。
受け取ってもらおうと思ったら、
こちらからも受け取って見せることはひとつの方法です。
よく不適切な行動に対して反応すると強化につながると言われます。
でも、もしかしたら適切ではないにしても、
その子にとってはそれが精一杯の形なのかもしれません。
コミュニケーションですもの。
まずは伝わった実感することから。
やっぱりこれは対大人でもたぶん同じです。
子どもと関わっていると、本当に日々学ばせられますね。