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「シカク化してシカる」は、いろんな子どもに有効では?

シカク化してシカる
漢字で書くと、「視覚化して叱る」

これ、最近始めたんですけど、いろんな子どもに有効じゃないかなと思ったので、まとめてみたいと思います。

きっかけ

きっかけは、難聴者のシゴトのロールモデルのインタビューでした。
仕事をする時に、聞こえのフォローの部分で自分で工夫していることを聞いた時、こう言われました。

口頭だけで話すのが苦手なので、事前にパワーポイントとかで、頭の中で考えてること、私が伝えたいことを、図だったり文字に書いて、共通のフォーマット、共通の視覚情報でやり取りするようにしていますね。

これは、難聴者であれば、言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、実際にやってるかというと、そうそういないんじゃないかと思うんです。
また、改めて口頭だけで話すと、何のことを言ってるのかよくわからないと聞き、確かに、聞こえづらい中だと、聞き取ることに力を注がなければならず、イメージまでするのはかなり困難。だからこそ、図示することは非常に意味があることだとようやく気づきました。

難聴って、こういうことが多いです。
どうしても、聞こえている人間は、聞こえない人の言葉をふわっと通り過ぎてしまうことがあります。自分のことですが💦

そこで思い出したのが、うちの娘です。

うちの娘も難聴です。
で、この子が、こうしなさいと言ったことを、本当に全然やらないんです。
もうですね、わざとやってないやろ!と言いたくなる時もあるぐらいで、言った端からやらないとかもあるぐらい。
それもかなり重大な事でもそうなることがある。

「○○しなさい!」という時は、叱ってる時ですね。
良くないことをして、こうしなさいと叱る。
重大な良くないことをしたときは、激しく叱る、いや、これはもう怒ってる状態ですけど、そういう時って、言葉だけですね。
手話を入れる時もありますけど、ヒートアップすると忘れます💦

そこで思ったんです。

口頭だけで言ってるから、頭でイメージできない、重要だと思えない。そしてヒューンと通り過ぎてしまうんじゃないか?

そこで、文字や図で書いて説明しながら叱ろうと思ったんです。

これは、かけはしでも提唱しているプラス1コミュニケーションの一つでもあります。
プラス1コミュニケーションとは、聞こえなくても読み取りやすくなるコミュニケーション方法で、9つのポイントを挙げています。

9つのプラス1コミュニケーション


いざ、実践!

さて、実践する日が早くも来てしまいました(笑)
う~ん・・・やっぱり頭に残ってないんですよね・・・

ということで、早速紙に書きながら叱ります!

まず、状況の確認ですね。
「いつも約束を破ってしまう」
「いつもやろうとしない」(できるのに)
「いつも軽く見る」

そして、そうなるとどうなるのか?
なぜ、約束をちゃんと守らなければいけないのか?
この辺を話していきます。
「話したくなくなる」
「信用されなくなる」
「友達がいなくなる」

今回は、約束を破ってしまったことをテーマに話しましたけど、約束ではないけど、例えば、おわんの持ち方をいくら言っても正しく持とうとしないことも取り上げて、

言ったことをやらない ⇒ 軽く見ている
= 約束を破る ことにつながっている

とか、

なぜおわんを綺麗に持つ必要があるのかとかの話も言葉を書きながら話していき、

内面が外面に出る ⇒ 外面の所作を綺麗にすることで、内面も磨かれる
⇒心と体はつながってるんや!

なんて、話にも広がりました。

多分、絵とかを使った方がいいとは思います。
でも、なかなか絵が描けず、文字だけになりましたけど、文字でも視覚的に表すことで、ふわっと通り過ぎずに頭に少しは残ってるかな…
どうだろうな…というところで終わりました。

また、この視覚的に書きながら叱ると、冷静に話せるというものすごく良い効果があります!

これは、特に感情が高ぶる人にはいいですね。
僕は感情がドバババーーーッと出るタイプなので、書きながらだと冷静に話せました。

これは、本当にいいです!
ついつい頭に血が昇ってしまう僕みたいな人は、ぜひお試しください(笑)


また速攻で約束を破ってしまった

さあ、少しは効果はあったかなと余韻に浸る間もなく、また約束を破ってしまいました…

まあ、それほど重要な約束ではなく、お菓子を食べた袋をごみ箱に捨てずにソファーの下に押しやってたんですけど、あれだけ話した後に何で??

ついつい、その場で激怒してしまい、おかしは1ヶ月禁止じゃー!!と言ってしまいましたが、そういうやりとりをしているときに、言い訳を始めました。
この言い訳もよくするんです。
それも、どう考えても言い訳できないシチュエーションでもやってくるんです。

これが僕は本当に嫌で。

目の前で見てやったことをやってないと言うし、
詰めていくと、「やったよ。だからこうしたんだよ」と開き直る。
やった時点で約束を破ってるんだと言っても、「それはわかるけど、だからこうしたんだ」と開き直る。

お菓子は1ヶ月禁止と言っちゃったんで、このスモールステップができないので、言い訳をやめるスモールステップと、約束を守るスモールステップを一緒に考えました。

ちなみに、罰を与えるのも効果はありません。
ないけど、頭に血が昇るとついやってしまうんですよね…
反省です。


シチュエーションを限定した

「約束を守る」
というと、これはちょっと範囲が大きすぎるので、なかなかスモールステップにつながりにくいかもと思ったので、約束を守るシチュエーションを限定しました。
実際、今までうまくいってなかったのもありますしね。

で、約束を守るのは、まず、
・おわんを正しく持つ
にしました。

いや、全然おかしな持ち方をしてるんで、普通に持てるようにということで、何ら難しいことではないんですけど、重要性がピンとこないからやらないんですよね。

どうやったらできるか?
一緒に考えます。

そしたら、
「ちゃんと持てたら10ポイントで、3000点取ったらペットを飼える」

ほう(笑)

このゲームも前に別件でやったことがあるんですけど、マイナスが増えすぎてやる気をなくしておじゃんになってました。
でも、うちの子はゲームが好きなんですよね。

よかろう!ということで、そうしようと言いましたが、
ペットを飼うのは別問題だからダメ。
こんなに連続で約束を破って、もう、欲しいものがあっても何も買わないということにもなってるので、ゲームクリアしたら、いつも通り、「欲しいものがあったら、状況に合わせて買えるようになる」ならいいよということにしました。

また、3000点となると、1日2回20点取っても5ヶ月かかるので、1000点にしようかということで合意。

お椀だけだと難しいかもと思ったので、ごみを出した後ちゃんと捨てたらこれも10点としました。
1ヶ月お菓子もないけど、その後はお菓子の点数も入ってきます。

ただし、約束を破ったら-50点としました。

ゲームは、マイナスもあると面白いんですけど、マイナスが増えるとやる気がなくなるので、今回はマイナスは一つだけ。
それも、これはやらないだろうという約束。
それよりも、プラスしていく喜びで習慣づけられたらという思いでした。

そして、言い訳をしないためにどうするか?

これも一緒に考えます。

いくつか出てきたけど、それで今までできてないので、違うものにしようと話し、出たものが、
・最初に、「言い訳は無しよ」と言ってから話すということ。
・もし、言い訳したら、「言い訳になってるよ」と言ってくれたら、それ以上言わない。

あと一押しですね。

で、出てこなかったので、こちらから提案。
・叱られているときは、黙って最後まで話を聞く

よし、これでいってみよう!

ということで、さあ!結果はいかに??(笑)!!


まさかのマイナス!!

2日ほど10点を重ねたけど、3日目から点数なし(笑)
3日坊主とはよく言いますけど、うちは3日持たず(笑)

それから全くできなかったんですけど、なんと・・・
また約束を破ってしまいました・・・・

お菓子をこっそり食べてしまって、また袋を捨ててなかった・・・

-50点
つまり、現在-30点となります。

お腹がすいたからというのと、お菓子が置いてあったからですね。
仕方ない面はあるかもしれませんけど、なかなかうまくいかないものですね・・・💦

それからしばらく、またお椀も持てない。
さすがにまたゲームは終了か…
暗雲が立ち込めます


変わったぞ!!

そんなある日、
うちの子はよく言うんですけど、また、
「ペットが欲しいーー!!」と言ってきました。

自分で身の回りのことができるようにならない限りはダメだと言ってるんですけど、
「じゃあ、自分のことができるようになったらペット飼っていい?」
と言ってきたので、
「その前に、今のゲーム-30点で止まってるよ。あれクリアせんと、欲しいものは買えないよ」
と伝えました。


それから数日後。

なぜか、お椀を正しく持ってます!

「え?何でできるようになったん??
と聞くも、
「わからん」
と言うばかり(笑)

これ、うまくいった方法を聞くのは効果的です。
ちょっと僕の聞き方も下手だったかもしれず、うまく聞き出せなかったんですけど、オススメの方法の一つです。

この理由がわかれば、子どもの行動改善の重要なポイントになると思ってたんですけど、真相は今のところわからず。
あの、ペットの話でやる気になったんじゃないかなと、振り返って思ってはいるんですけど、どうですかね?(笑)

連続30点で、やっと振り出しに戻りました!

さあ、ここから1000点まで行くのか??
乞うご期待です(笑)!!

でも、いろいろわかってきたことはありますね。

まず、
視覚化するのは子どもにもわかりやすく、口頭だけより記憶にも残りやすい。
親も冷静に叱れる。

スモールステップは、絞って実行。

ゲームはクリアしやすく。

これは、聞こえる子にも有効ですし、他の特別なニーズを持つ子たちにも有効に働くケースもあると思います。

よろしければぜひ使ってみてください!

ちなみに、プラス1コミュニケーションを深く学ぶ講座、
プラス1サポーター講座を定期的に開催しています。
こちら今月開催ですので、ご興味ある方は、ぜひご参加ください!

2月21日(金) 9:10~12:00
オンラインセミナー
受講費:3,000円
お申し込みは、下記よりお願いします。


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