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同人活動から人間活動へ、向かう

今から書くことはとても個人的な意見なんで、あまり真に受けずに読んでもらいたいんだけど…。
同人活動へ注力しすぎて人間卒業しそうになったという話で。
というのも、暇さえあればSSを書き、休日もほぼ小説を書いていた字書きでした。平日も普通に仕事があっても寝る前の30~1時間くらいでバッと小説を書いてほぼ毎日自カプ創作をしていました。

あんなにネタがたくさん出ていたのはある種、躁状態故のゾーンに入っていたんだと思います。
段々と自カプへの好きより、他カプを見返そうとか、もっと多くの人に読んで欲しいとか、そういう気持ちが大きくなっていくのを感じました。
別にそういう気持ちが悪いんじゃないんだけど、私の場合は自己承認が爆発した結果副産物的に生まれたのが小説になってしまっていて、どちらかと言うと苦しかったんです。こんなに負の感情に支配されているのに書くことは止められないし、止めたら自分からは何も無くなってしまうとすら思っていた。

人と仲良くすることや、交流することが前提として同人活動にあるように感じ始めていた。実際、自分がもっと交流の必要がない、上手い字書きだったら状況が違ったんだろうけど、どっちにしろ自分の精神状態が悪化していくばかりで、なのに自カプのことは好きで…という板挟みになっていた。
こんな気持ちで創作を続けていくのはもう無理だと思い、燃え尽きた私は筆を置いた。自ジャンルも離れ、仕事に打ち込んだ。

そうして家族と過ごす時間を大事にしたり、仕事を頑張ったり、職場の人たちと交流を深めたりしているうちに、意外と創作活動から距離を置いても大丈夫なんだなと気付き始めた。
創作活動をしない間、映画を見たり本屋に立ち寄って気になった小説を読んだり、空白の時間を楽しむ余裕がどんどん生まれてきていた。
たまに自ジャンルを思い出すこともあったが、そこまで気にならなくなっていた。自分が想像していたよりも自然に、創作との距離を適切に置けるようになっていた。

その数か月後に別ジャンルにハマり、ぽつぽつと筆を取ることはあっても、体調が悪くなる程に病まなかった。SNSをやらず、作品だけを投稿していたからだ。どうも私はSNSが苦手なようで、色んな人のキャラ解釈を目にしたり、投稿したSSへの反応を気にしすぎたりするところがあり、SNSなしで活動するようにした。
「創作活動は趣味なんだから、もっと気楽にやればいい」
そういう言葉を聞く度、私は本気なのに…自分の全てをかけて作品を書いているのに…と思い卑屈になっていたが、いざ体感してみると本当にそうだったなと思えるようになっていた。
そもそも原作がある上で妄想して錬成したものを「作品」と呼ぶのも、おこがましいというか…。これで食って行かないといけない訳でもないのに、必死になりすぎて周りが見えなくなるのもなんか違うな、と。
本当に創作活動が好きで、人としての自分の姿を忘れてもいいくらい熱中出来るならそれもいいけれど、私はそうじゃなかった。
やっぱり人並みに、人間活動をして生活を充実させた上で、気が向いた時に筆を取る。それでいいし、それが良かった。

好きなもののことを考えて不幸せな思いをすることほど、不幸なことはないと思います。
好きなものを好きでいるために線引きをしておくことの大事さみたいなものを、私は取り戻せたような気がしています。


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