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2024年に読んだ本たち ~未紹介本~

昨年の読書量は単純平均で月に7.4冊のペースでした。その中にはおもしろかった本、がっかりした本がありました。読書記録をみると、高評価している本は24冊で、がっかりした本は5冊でした。

ここでは、下書きを書きながら紹介しなかった本についてかんたんに書こうを思います。



青山透子 著『隠された遺体』~日光123便墜落事件~

青山透子氏の本は、『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』が出版されてから断続的に読んでいます。日航123便の墜落は大学生だった私にとっては衝撃的な事件でした。19時前の緊急速報、自衛隊が撃たれたという緊急テロップ、墜落地点がなぜか不明だという奇妙な報道、翌朝になってからの救出活動。報道ヘリを飛ばしているのだから夜のうち発見されなかったことを不思議に思っていました。

それからずっと後になって、大竹まことのゴールデンラジオで森永卓郎氏がこの事件のことを話し、ついに『書いてはいけない』で活字になりました。これを切っ掛けに『隠された遺体』を読んだのです。

この中で気になった記述が

ハインリッヒの法則 無責任と安全を軽視する人間が結局、事故を作り出す

というものです。確かに、安倍晋三首相の2006年の
   「日本の原発でそういう事態 (全電源喪失) は考えられない」
   「万全を期している」
がそれを物語っています。
残念なことに、無責任と問題軽視が継続されています。


里見 蘭 著『人質の法廷』

読んだ切っ掛けを忘れましたが、おそらく大竹まことのゴールデンラジオのゲストとして出演されたのだと思います。冤罪事件や人質司法問題に興味を持っていたので読みました。

幸いなことに袴田事件は昨年の2024年に無罪確定しました。袴田事件の概略を知れば大抵の人は冤罪を疑ったと思います。そういう事件でした。

小説には、和歌山カレー事件や高知白バイ事件を想起させることが出てきます。その他にも多くの冤罪事件を踏まえて書かれたことが参考資料でも分かります。志布志事件や村木事件でも分かるように昭和の話ではありません。令和にも起こり得ることです。それが分かりやすい形で書かれているのがこの本です。厚いし重い内容ですが、手に取ってほしい本の一冊です。


木原育子 著『服罪』

2部構成で、1部はあるひとりの無期懲役となった人の半生、2部は社会的問題の解説となっています。これはノンフィクションで、犯罪への道筋、罪を償ったけれど社会に復帰することの難しさが分かります。

その主人公の男性が読んだという小説がとても気になり、自分なりに推理して見つけ出しました。

時代背景から、横田基地周辺を舞台とするアンダーグラウンドを描いたものだと結論づけました。その小説は映画化もされていて大ベストセラーです。さらに有名文学賞も受賞しています。調べる前は『太陽の季節』かと思いましたが違いました。


神戸新聞取材班『黴《かび》の生えた病棟で』

この本は、いわば馬場信浩 著『落ちこぼれ軍団の軌跡 スクールウォーズ』です。神出かんで病院事件について書かれており、新聞社が出版しただけあって日本社会に蔓延る問題をも提起しています。それだけに止まらず、再生のヒントも与えています。

政治家、官僚や警察などのすべての役人、教育関係者、マスコミ関係者、さらには会社社長や代表取締役に「おとなの課題図書」として読んでもらいたい本です。でも読んだからといって、子供がそうであるように、そう簡単に豹変するものではありませんね。課題図書は苦痛でしかありません。


角田史雄 著;聞き手 藤 和彦『次の震度7はどこか!』

読んだ切っ掛けは、深田萌絵TVの《「南海トラフ地震利権」の真相》です。

「地震はプレート節でなく、熱移送によるものである」

角田氏のこの説を分かりやすく解説してくれるのが藤氏です。熱移送については松田政策研究所チャンネル「南海トラフM9地震は起きない! ~プレート説は根拠なし、熱移送説で地震のメカニズムを解き明かす~」で紹介されています。

この本を紹介したのは、2008年の四川大地震はプレート説では説明できませんが、熱移送説では説明可能です。読むと分かりますが、プレート説がなぜ広まったのかも分かります。


夏目漱石 著『三四郎』 『坊っちゃん』

「齢を重ねると受け取り方も変わる」。30年くらい前に読んだ夏目漱石の本を紹介している小雑誌にこのようなことが書かれていました。

初期三部作といわれる『三四郎、それから、門』を読みましたが、三四郎が断然良かったです。ニヒルな広田先生は現代にもいそうで、出来ることなら話をしてみたいものです。

『坊っちゃん』こんなに痛快でおもしろかったでしょうか。出版された当時は滑稽本として読まれていたのかもしれません。

最初に読んだのは27歳頃だったと思うのですが、それほどのおもしろさは感じなかったように思います。松山に行って温泉に入りたいと思ったくらいだったように記憶します。実際それは実現し、温泉をたのしみました。もちろん泳ぎました。デコポンは安くておいしく、じゃこ天も味わいました。


さいごに

紹介しなかった本は重い内容のものが多かったですね。でもこうして紹介できて良かったです。今年も素敵な本に出会えればと思います。

木村秋則さんや鈴木宣弘さんの本はどの本からも得るものが多いのでたのしみにしています。皆さんも素敵な本に出会えるといいですね。▢

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