ほんよんだよ「レインコートを着た犬」
「レインコートを着た犬」吉田篤弘さん著/クラフト・エヴィング商會 装丁/中央公論新社 刊/978-4-12-004672-8
ああ、好きな世界だな。と思ったら、つむじ風食堂のあるまちが舞台の作品だったのか…!他にもあるのかしら…!と調べたらスープのもだったので、これは…手元に揃えねば…とうきうきした。嬉しいな。
なんとなく、首輪を付けることは窮屈なことで、そんな縛りをさせたくない、と思う直さんの気持ちが強いのかな。とか、それよりも、繋いでしまうことが申し訳ない、の気持ちとかあるのかな…とかいろんな優しさを感じるなあ…
名前が入った首輪をもらったときのジャンゴの気持ちや、そのときに直さんの言葉を思い出すことが相まって胸が熱く、ほんわりした。
かつかつなのに、自分のものを買いにいくんだ…と察したり、それが本当に、いらないです、というものだから、申し訳なく思う気持ちは、なんだか小さい頃を思い出したりしてこころがきゅっとなる。
自分がしてきていることに、もんやりしちゃうこと、あるよね。良い意味でもよくない意味でも変わり映えしないことへの焦り。不安だったり、どうしよう。どうしていこうかな。とか、ああ、月舟町のみなさんも、それぞれに悩んで生きている。
そういうことが、丁度、自分自身に刺さるときで。
今、読めてよかったな。
何が変わるわけでもない。でも、やっぱり、続けていたい。どうにかこうにか。どうにかこうにかしていきたい。と思いながら。こつこつ。
https://www.chuko.co.jp/bunko/2018/05/206587.html