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ほんよんだよ「かがみの孤城」
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「かがみの孤城」辻村深月さん著/禅之助さん装画/岡本歌織さん装幀/ポプラ社刊/978-4-591-15332-1
本のデザインすてきだなあ…
絵もどきっとする表紙と、タイトルの文字のパリンとしてるのも、どきどきする。
それぞれの事情、言いにくいことききにくいこと、さぐりさぐりの、はじめまして。からの1年。
打ち解けていく様子にほっとしたり、強めの気持ちの放出ではらはらしたり。
どういうこと?こういうこと?ちがった。そういうことか!と謎が知りたくて頁を進める手が止まらない〜。
現実世界で起こっていることが、辛くて悲しくて悔しくて恐くて怒りを覚えることも多々あって。
でも、どんなにそんな感情になっても、この子たちのそれぞれの事情は、そんなふうに思ってほしいわけじゃない。どうしたらいいのか、は自分にもわからない。のに、周りの大人たちの、そうじゃない言葉にまた悲しくなったり。
心を開きかけてまた閉じて。それでもこの人は信頼をしていいんだ、という存在になるには、その子たちそれぞれの寄り添い方があって…
人を傷つける人の持つあの周りを巻き込む邪悪な力は何なのだろう。
”ふつう”とか”当たり前”という認識がなかったら、どんなに気持ちが楽になるだろうか。そして、いろんな可能性ももっと生まれるのだろうな。
私は、みんなと同じかな…?違うのやだな…と思う子どもだったので、クラスがしっかりとある時代は窮屈だった。みんな優しい子たちなのに、そして怖いこともされてないけれど、なんであんなにびくびくしてたんだろう。
世界は広いし、今いる場所はすごく狭い世界だと思っても、そこで生きていたらその世界がすべてだもの。すごく、大きい。
大学のときに、誰も知らないところに行きたくて、うまいこと行けたのだけれど、本当に心がらくちんになったのを覚えている。あの感覚は、とても、よかったなあ。
読み終えたあと、コミカライズ版も読んだのだけれど、こちらもとても良かったっ。絵や線やアングル、素晴らしかったです。