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起業初期だからこそ、経理業務はしっかり構築しておくべき


売上がまだほとんどないのに、経理処理を頑張る必要はあるのか

製造業や飲食業、小売業など、多くのビジネスではまず仕入(購買)から取引がスタートします。

物販を扱う業種であれば仕入が発生しますし、広告を出したりホームページを作れば費用はかかりますし、営業活動のための交通費・接待交際費(飲み代)など、売上金が入金される前に様々な出費が発生します。

仕入(購買)の経理処理を疎かにしてしまうと、いざ売上がコンスタントに上がってきたとしても、本当に儲かっているのか分からず、実は赤字でお金が足りないという状況になっているかもしれません。

逆に、利益が多く出ていることに気づかずに、節税対策の機会を逃してしまうことにもなります。

また、販売活動ばかりに気を取られていると、支払い処理の失念や、請求書を紛失して支払い漏れが発生するなど、会社の信用を落としてしまうかもしれません。

仕入業者や外注業者と顧客は、案外取引上つながっていることもあり、営業に支障がでる可能性もあります。

経理処理をするタイミングですが、あまりレシートや領収書を溜め込んでしまうと、あまりの多さにやる気がなくなってしまうかもしれません。

領収書の紛失リスクも結構痛いです。

ルーチンワークとして最低でも月1回は、経理処理を行うことが望ましいかと思います。

ExcelやGoogleのスプレッドシートで十分

「経理をしっかりやるには、会計システムを導入する必要があるのか」と、思う方もいらっしゃるかと思いますが、マイクロソフト社のExcelや、Googleが無料提供しているスプレッドシートで十分管理が可能です。

管理する項目は、売上と仕入(購買)の2種類になります。

売上であれば、請求情報となる(顧客名・契約書NO・金額・請求書発行日・請求書NO・売上計上月等)と、入金情報となる(入金予定日・入金日・入金額等)を一行でまとめておくことで、請求書発行~売上計上~入金管理まで一元が可能になります。

仕入(購買)であれば、仕入・購買情報となる(仕入先・金額・請求書受取日・計上する勘定科目・費用計上月等)と、支払情報となる(支払予定日・支払日・支払額)を一行でまとめておくことで、請求書受取~仕入(購買)計上~支払管理まで一元で行えます。

上記の表を作成することで請求書発行漏れや未入金管理、支払処理漏れなども防ぐことができます。

これを毎月、無難にこなすことができれば、次は上記の表に、顧客別や案件別にNO.をつけて管理することで、各顧客や案件で、利益がでているか計算が可能になり、経営資料として活用することができるようになります。

もし本格的に経理処理をしたいのであれば、やはり会計システムは必然的に必要になるかと思いますが、入力方法や操作画面の合う合わないがありますので、いきなり高額な会計システムを導入するよりは、安価なクラウドの会計ソフト(freeeなど)からスタートすると良いかもしれません。

初めから経理をしっかりしていると、事業計画が作りやすくなる

事業計画書を作成しておくことで、銀行からの融資や資本での外部調達の際に役に立ちます。

事業計画書は、事業概況、3C分析(顧客・競合・自社)、経営戦略、損益計算書(計画)、貸借対照表(計画)、設備投資計画書などを準備します。

損益計算書(計画)を作成するには、現状の業績をしっかり把握して作成する必要があり、

そのためには、経理をしっかり行って数字を管理しておくことが重要となります。

銀行からの資金調達の際に、提出を求められる資料としては過去3年分の決算書・事業計画書・資金繰り計画表などがあります。

決算書は、保存されていればすぐに提出可能かと思いますが、過去の実績に沿って事業計画書を作成するには事前に作成しておく必要があります。

事業計画書は、現状の業績をしっかり把握した上で、ロジックがあり客観的に実現可能なものを事前に作成しておくことをお勧めします。

起業初期に経理のルーチンを構築しておく

起業初期は、社長がトップ営業マンとして顧客獲得に忙しく、経理の人員を雇うコストもないなど、経理処理が後手に回ってしまっている場合が多いです。

まだ取引が多くない時期からルールを決めて経理をしっかりやっておくことで、ルーチンワークとしてスムーズに行うことが可能になります。

最後に、ここまで起業初期における経理の重要性について、メリットをまとめます。

〇赤字でお金が足りない状況を未然に確認できる

〇支払忘れ、支払漏れを防げる

〇顧客別・案件別に利益が出ているか分かるようになり、営業活動に役立つ

〇節税対策がしやすくなる

〇客観的に実現可能な事業計画書を作成することができ資金調達に役立つ

会社員として副業を考えている方、または起業しようとしている方は、経理を疎かにしないようにしましょう。

 

ちなみにこの記事のサムネイル画像は、設立2年目頃の我が社の経理処理風景です。
当時は半年に1回、ワークスペースを借りてアルバイトスタッフと共に5時間くらいかけて収支の集計を一気に終わらせていました。

創業初期はこんな感じでもいいので、とにかく経理はしっかりやっておきましょう。


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