⑷「老子」を読んで小論文を書こう
1、時間数:5~6コマ
対象:高校2年生男子
2、目的:生徒が老子の発想と現代評論とを結びつけ、古代中国思想を身近に感じてみること。
3、準備:
⑴ 『老子』(第十四章、第八章、第十一章)
⑵ 高階秀爾「余白の美学」(または原研哉「白」)
⑶ 『たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」』⑷ デジタルデバイス(Googleclassroomの使用が可能なもの)
4、手順
⑴ 「老子」第十四章から八、十一の順で読解。第十一章が一番分かりやすいことを確認しつつ、老子の述べる「無」とは何かを言語化する。
⑵ 『論理国語』から高階秀爾「余白の美学」(あるいは原研哉「白」)を読む。彼らの言う余白や白が老子の無と、同じでは無いが似ていることに気づかせたい。なお原が「無印良品」にデザイナーとして関わっていることに言及すると生徒は盛り上がる。
⑶ グループに分かれ質問づくり。『たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」』のガイドに従い、「老子の述べる「無」と現代社会」を主題に質問づくりを実施。作成した質問はGoogleフォームを通じて提出。
⑷ 提出された質問をクラス内で共有。その質問のうち1つを選び、自分の小論文の主題とするように指示。
⑸ 小論文執筆。書いた物をGoogleフォームで提出。
⑹ 全員分の小論文をGoogleスライドに貼り付けて共有、コメント機能を用いて批評。
5、反省
中国古代思想という縁遠いものに現代評論との近似性を読み取らせることで現代批判に繋げることができるのではないかと考え実施した。
小論文についての体系的な知識が生徒にないため作成された小論文の出来はまちまちではある。それでも評論を通じて老子の語る「無」を自分ごと化できた生徒が増えた。彼らは自分なりの具体例・根拠を示して「無」の価値について論述することができていた。
Googleフォームで文章を提出することにも少しずつ慣れてきている様子。