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kotatsu
2019年3月27日 10:25
くだんの店に入ってからも違和感は拭えなかった。Sの様子はというと、生ビールの注文を済ませるなり、例の”おねいさん”を引き留めて本気で誘惑しているように見える。評判の映画『スペンサー・オーラムの厄災』に誘っている。どこか垢抜けない若い女店員も満更でもないような、それでいて抜け目のないような目でSを見ている。値踏みをしているようだが、もうひと押しかもしれない。Sの身長が伸びて、生前は、
2019年3月23日 21:45
廃屋で紙魚(シミ)に喰われ、朽ちて行く、百五十年周期の行幸だったのかもしれない、手渡された恋文。上手くいく筈もなく、生まれなかった、夢で会った息子のため息を思い浮かべ、(赦しを乞うだけ)駅舎のベンチで、背筋を伸ばして座る、バトミントンラケットを持つ君に。 #現代詩 #ラブレター #恋文