読書日記 同志少女よ敵を撃て
アガサ・クリスティー賞受賞、本屋大賞受賞の逢坂冬馬さんのデビュー作です。
文庫版になったので迷わず購入しました。
全く予備知識無く、「2022年に本屋大賞取って話題だったよね?」くらいのことしか知らずに読み始めましたが、こんなに重い戦争小説だったとは…。
なんとなく、タイトルは何かの比喩と思っていたのですが、本当にそのままの内容でした。
住んでいた村を殲滅されて、少女狙撃兵として育成される主人公の戦いが、第二次世界大戦の前線で繰り広げられます。
戦争の残酷さ、ということよりも、狙撃兵として経験を積んで行く中で、自身の中の在り方を模索する姿が、見ていて痛々しいな…と思いました。
痛々しいのだけど、必ず次の1歩を強く踏み出すことがわかるので、その行く末を見守りたいと、ページを追うごとに感じました。
結末は意外性がありましたが、読んでいる側としては良かった〜という感じ。
どんな形であれ、救いがあったり、ハッピーエンドが良いですよね。
今年の読書納めに良い読書体験ができました。