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マスコミ報道のあり方に関する9つの提言

不特定多数に対するコミュニケーションをマスコミュニケーションと言います。

マスコミ報道により、模倣犯罪などが増加しないためにはどうすればよいのでしょうか。

今回は社会心理学者である榊(2002, pp.467-469)から、報道のあり方に関する9つの提言をご紹介いたします。

①詳細かつ過剰な報道を避ける
手口や方法など詳細な報道が模倣の土壌を生んでしまう。

②犯人逮捕を大きく報道する
逮捕に関して大きく報道することで、犯罪の抑止力になる。

③犯罪のデメリットを報道する
犯罪へのデメリット、否定的な評価、リスク、もたらされる結果などを報じることで、犯罪の抑止力となる。

④ほかにも方法があったことを伝えること
例えば、自殺以外にも解決策がなかったか、殺人以外にも手立てがなかったのか、などほかの選択肢についても報じる。

⑤被害対策の提示も行う
ただ事件の悲惨さや陰湿さ、非道さなどをセンセーショナルに報じるのではなく、予防策や対処策などを提示する。

⑥事件をドラマ化しない
不必要な部分を脚色してドラマ仕立てにしない。容疑者や被害者などの事件当時者をステレオタイプに当てはめてしまう恐れのある報道を避ける。

⑦キーワードの反復を避ける
インパクトの強いキーワードは事件を単純化し、センセーショナル性を高める。反復は印象を強める反作用をもたらす。

⑧受け手の年齢層を考慮する
時間帯によって内容や伝え方に気を配ること。低年齢層の子どもが見る時間帯などには最大の注意を払う。

⑨送り手による責任の所在を明確化する
記事の執筆者や取材者などを的確に明示する。訂正や注意があった場合には、迅速に対応し、訂正すべき箇所があればそれを認め大きく報じる。

これらの方法が厳守されることで、マスコミの果たす社会的役割は大きく改善されるでしょう。

【参考文献】
榊博文(2002)『説得と影響:交渉のための社会心理学』ブレーン出版

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高嶋 幸太(Takashima Kota)
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