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AIエージェント時代における事業開発のあるべき姿とは?

可能な限り、生の出来事や感情にフォーカスし、一般論ではなく具体事象の振り返りとして書くこととします。📝

こんにちは。
株式会社Algomatic齋藤(@kotasaito_am)です。
AlgomaticのネオセールスカンパニーのカンパニーCCO(Chief CustomerSuccess Officer)として生成AIを活用した事業開発をしております。

1年ほどの事業開発を水面下で進め、昨日(2024/1/16)、『アポドリ』という営業AIエージェントをリリースしました。

『アポドリ』は、営業パーソンの代わりにAIエージェントが各企業専属のインサイドセールス担当として、リスト作成・アプローチ実行・活動管理・活動分析を遂行し、顧客企業のキーパーソンとの商談を獲得・提供するサービスです。
昨日のリリースからお問い合わせが鳴り続いており社内はうれしい悲鳴を上げております!ご興味がある方はぜひ以下のLPよりお問い合わせください!
(セールスマーケの方ぜひ良かったらお問い合わせください!👩‍💼👨‍💼)

Algomaticは生成AIのスタートアップスタジオで複数事業を同時立ち上げしています。複数のカンパニーが並列で立ち上がり、生成AI×〇〇の事業開発を多数進めています。

  • ネオセールスカンパニー 

  • NEO(x)カンパニー

  • Algomatic Globalカンパニー

  • AI Transformation(AX)カンパニー


ここからは、実際にカスタマーサクセスの責任者としてPoCとして実際のお客様(以下顧客)の課題解決を伴奏し続けてきた自分が見えてきた、AIエージェント時代の事業開発のあり方を残します。
事業開発をしている方全ての方がより良いサービスを作り、社会を前進させる一助となるよう。

📍先に結論
解決したい対象(わたしたちで言えば営業マン)のワークフローをBiz・Devともに実体験し、オペレーショナルエクセレンスをAI前提で極めていく地に足つけた事業開発が真の顧客思考であるべき姿だ


はじめに:2025年のトレンド”AIエージェント”

そもそもAIエージェントとは何か、定義を揃えておくことにします。
ガートナージャパンは、AIエージェントを「デジタルおよびリアルの環境で状況を知覚し、意思決定を下し、アクションを起こし、目的を達成するためにAI技法を適用する自律的または半自律的なソフトウェア」と定義しています。
以下画像のように、AIエージェントは、人間が実行している多くの作業(タスク)を気を利かせて自動で実行したり、人間に代わって高度な意思決定材料を与えてくれるため、これまで人が思考し遂行していた作業を良きに計らって代替してくれることができるのが大きな魅力だと言えます。

話題のAIエージェント、「対応は冷静に」とガートナーより引用

労働人口減少・働き方改革に伴う生産性向上が叫ばれている日本においては労働生産性向上は大きなテーマであり、労働生産性向上の指針として以下のようになったと解釈しています。

① 労働人口を増やす(量を増やす):雇用形態の多様化・外国籍雇用
② 労働密度を上げる(質を高める):労働流動性向上・リスキリング
③ 非労働業務を増やす(自動化効率化):システム化、RPA、AIエージェント

これまでは③の自動化効率化といっても

🔈「そもそも導入するのが面倒で進んでいない」
🔈「結局はシステム導入しても管理するものが増え業務が増えた(気がする)」
🔈「自動化しても指定されたタスクしかできないので柔軟性がない(から使いにくい)」

という場面に多く直面したのではないでしょうか。(自分もそうでした。。)

ただ、AIエージェントが「人が思考し遂行していた作業を良きに計らって代替してくれることができる」ようになったため、柔軟性を持って高いレベルで業務を代替(自動化)してくれるようになりつつあります。

そのため、AIエージェントがバズワード化し、多くの企業がその可能性に注目する中で、事業開発のあり方も大きく変化しようとしています。
最近、Xを見るとAIエージェント系の投稿も爆発的に伸びていますよね。
タイムラインを見る限りでも個人からスタートアップ、大企業や外資ビックテックまで誰しもが注目していますね。

Xで「AIエージェント」で検索

真にあらゆる業務をAIエージェントが自動化できる未来が見えてきたからこそ、AIエージェントを活用し成功を収めるためには、単なる流行りに乗るのではなく、地に足ついた事業戦略が必要だと思っています。

本稿では、AIエージェント時代における事業開発のあるべき姿をBiz的な視点とDev的な視点の両方から考察し、成功に導くための具体的な戦略をお話しします。具体的な事例を可能な限り交えていますので、お気軽にお読み下さい。

1. AIエージェント時代の事業開発:Biz的視点

AIエージェントは、開発、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、バックオフィスなど、ビジネスの様々な領域で革新をもたらす可能性を秘めています。しかし、その導入は決して容易ではありません。

僕たちも例外ではなく、生成AIの可能性の広さは十分理解していましたが、『何でもできる』という特徴があったからこそ、逆に特定の領域に特化したユースケースを明確にするのに、かなりの時間を要しました。


CPOの池谷がここで書いていますが、「終わりの見えない事業探索」(まじでトンネルの中ずっといました、苦しいよね)を繰り広げていました笑。

その中でも顧客の声に触れることは1mmも怠ることはなく、Biz・Devチーム全員でMTGに参加し、ヒアリングをする日々を過ごしました。

その中で、CEOの池田がドメインエキスパートということもあり、営業領域に特化することになりました。

なぜ営業領域に特化することになったのか、その思いはCEO池田の記事にこめられているのでぜひ読んでみてください!

そこで次の課題は「営業領域」の中で何を解決するのか?という問いです。
皆さんもイメージがつくかもしれないですが、AIエージェントが解決できる課題は多岐に渡ります。

一例)

  • リードナーチャリングの自動化: 見込み顧客に対して、AIエージェントが自動的にメールやチャットでコミュニケーションを取り、購買意欲を高める。

  • 営業プロセスの最適化: AIエージェントが顧客の属性や行動履歴を分析し、最適な商品やサービスを提案。営業担当者は、より成約率の高い顧客に集中できるようになる。

最近はSalesforceがAgentForceを出し、自律型AIエージェントを提案する動きも出ているほど営業領域で解決すべき課題は多岐にわたります。
(解決できそうなことだらけじゃん!って思いました。)

その中で、僕たちは以下の意思決定を下しました。

👦「営業マンの本当の苦しみってわからないから、まるっと受け持って営業代行しよう!」

いきなり、脳筋的🧠な意思決定です。笑
でもこれが結局振り返った時に非常に重要な意思決定でした。

最初にPoCでご支援させていただいた際、顧客側にはAIエージェントの仕組みが全く整備されていない状態からプロジェクトをスタートしました。

最初はいただいた企業リストを手作業で修正し、ミスがないか確認する作業で1営業日潰れていました。(いわゆるクレンジング作業)
翌日以降は、アプローチ予定の企業様に対しどういう内容でオファーをお送りすると相手方も気持ちよく、尚且つ紹介するサービスの魅力も伝わるか、顧客と何度も話し、商材理解を深め、過去の商談動画を何本もみて、こう言う心理的ハードルが購買側にあるのかと理解し、買い手の気持ちを考える日々が続きました。
ある程度解像度が上がった後は実際のアプローチ準備です。対象企業の現状、事業方針、課題を調べ上げ、どういうテーマを提示してオファーするといいか考え、アプローチ文面を全て手作業で作っていました。

1件1件調べ、5件くらい作ると本当に思考力落ちてくるんですよね。笑
(もう今日疲れたって感じ😇)
「これを毎日営業マンはやっているのか、、」
「そこまでやりきれないからリサーチ不足で営業することもあるよね、、」
という気持ちになって営業マンの大変さが非常に痛いこと伝わりました。

ところがどっこいこの大変な業務、Biz側だけでやっていたわけではありません。

大変な業務は肌身感じないと本気で開発しないから、Devも同じ業務をみんなで分担してやる

第二回、脳筋的🧠な意思決定です。笑
でもそれをしたからこそ、以下のような同期し続けることができました。

日常業務で大変なことは何か、Devチームと解像度高く同期ができていた。

この業務なくそう、がBiz・Dev全員で「まじでそう!」とすぐ意思決定されどんどん対象がシャープになっていきました。
それ以降は、Bizがメイン大変な業務を肌身感じながら遂行し、Devに後ろから開発しAIエージェント化してもらう前輪後輪駆動形式に切り替わりました。🚗

そのため、顧客と最も接するカスタマーサクセスの役割を担っていた自分は

とにかく顧客の課題・悩みを親身に寄り添って聞き、解決できる種を常に拾い続ける

ことが役割になりました。解決したい種を見つけ、作業要素に分解し、開発チームに伝えAIに置き換える。
そのため初期の顧客とは毎日のslackでのコミュニケーションはもちろん、週3でMTGして課題をすり合わせていました。(本当にありがとうございます🙇‍♀️)

それを繰り返し続けることで、ワークフローの一部がAIに置き換わるのではなく、ワークフローをすべてを俯瞰して見た時に頭から最後まで様々な箇所がAIに置き換わっていく、さながらオセロ⚪️⚫️のような開発手法だったなと思い返しています。
結果として、一つの作業要素のAIエージェント機能では「まあ嬉しいな」と言うレベルでもちろん売れる代物にはならないのですが、機能が組み合わさってワークフローそのものを代替してくれるAIエージェントになると一気にその見え方も価値も爆上がりしました。そりゃAIが勝手にアポ取ってきてくれるなら欲しくない営業マンはいないですよね。笑

この開発形態も非常に重要でした。
もし、ハイパフォーマーのワークフローを作業要素に分解し言語化することが出来れば、ハイパフォーマーと遜色のないレベルでAIエージェントが作業を担うことが可能になります。ただ、その業務を作業要素に分解し言語化すること、これがとても難しい。だからこそ実体験をすることで作業要素が見えますし、肌触りのあるAIエージェントが作られます。
作業要素一つを置き換えてもそれ単体では価値がない(正確にはお金を払ってまで解決したい価値ではない)。

だからこそ、一部の業務の代替ではなく、複雑な思考を伴うワークフローそのものを分解し、作業要素にまで落とし込み、生成AIに代替可能なレベルにまで指示することこそが、顧客に求められるこれからの事業開発になるのだと思います。

これからもまだ見えていないが解決したい営業領域は多々あり、泥臭い実体験から生まれたオペレーショナルエクセレンスをAIエージェントに落としていきたいと思います。そのために、Bizは顧客と対話をし続け、共に解決したい種を見つける。
Devが後ろから解決できることを信頼して、あえて大変な面倒な業務を喜んで受け持つ。顧客とDevと信頼して課題解決ができている「背中預け」の事業開発が大事なのではないでしょうか。


2. AIエージェント時代の事業開発:Dev的視点

前提、AIエージェントの開発には高度な技術力と専門知識が必要です。AlgomaticのDevチームは高度な技術力と専門知識は当たり前。
その上で、新情報へのキャッチアップとその好奇心は本当にびっくりします。特に生成AI、毎日のようにニュースが溢れかえる市場なのでいい技術はスピード is キングで即取り入れる腰の軽さは超大事だと思います。
(日々刺激をもらっています。⚡️⚡️)

前述しましたが、AIエージェント時代のDevの事業開発の第一歩は

特に初期はDevも同じ業務をみんなで分担してやる

です。以下の業務、本当にエンジニアもやっていました。笑
(絶対嫌だったと思う。笑)

  • アプローチすべき企業の担当者名を調べ尽くす

  • 企業への営業メッセージを1to1で作るために会社ホームページやIR資料を読んで作文

  • 実際に問い合わせフォームから営業メッセージを送る

本当に改善すべき業務が見え、分解し、同期できたら開発へ移行です。
ここで、重要だったのは

解決したい業務はすぐ作り、使ってみる。
改善を数百回と繰り返し、点数を上げ続ける。
点数を上げ続けるゴールはこのくらいでいいやではなくて究極を求める。

第三回、脳筋的🧠な活動です。笑

一つの作業要素について、日本で一番詳しいんじゃないかと思えるレベルで改善を積みました。
(デイリーMTGでも、「この作業のxx率がもう10%上げられそうで」など、いやその指標マニアックすぎて聞いたことないからね笑って話をしてました。)

でもそこまでやり切るからこそ、「AIエージェントが代替しても遜色がない、むしろ任せた方がいい」と言えるほどの機能に仕上がっていったんだと思います。
だからこそ取捨選択が大事であり、選んだ作業要素についてはネズミ一匹通さないレベルで誰よりも詳しくなり、オーナーシップを持って開発をやり切る。そのラストマンシップがすごいなと感じています(マジでありがとうございます🙏)

それでも1ヶ月経つと、「あれ、まだ極められるのではないか」と思うんですよね。
それは私たちの事業解像度が上がると言うのもありますが、LLMが圧倒的な速度で賢くなっているのも大きな要素です。

加速度的に賢くなるLLMの下で言えば、ベストを尽くした開発も数ヶ月後にはまだできるのではないかと思わせてくれる。
のであれば、AIエージェントの性能を常にモニタリングし、必要に応じて徹底的な再学習やチューニングを行う。

この繰り返しが気づいた時にAIエージェント事業開発の模倣困難性を高く構築し、真似できないものになっているのだと気づけました。

このように、Devに所属するメンバーも顧客の一次情報に触れる機会を増やし、顧客解像度を高める。その先は知的好奇心を持って改善すべき作業要素を徹底的に突き詰め課題解決につながる開発を行う。それをLLMの進化と並行して常に見直しアップデートする。そこまでやるから、顧客もBizもとても喜んで使い続けるAIエージェントに進化しているのではないでしょうか。


まとめ

AIエージェント時代における事業開発は、単なる技術導入ではなく、ビジネスモデル変革を伴う大きな挑戦となります。成功を収めるためには、Biz的な視点とDev的な視点の両方をバランス良く持ち、地に足ついた戦略を展開していく必要があります。

現場を理解し、オペレーショナルエクセレンスを追求することで、真に顧客に価値を提供できるAIエージェントサービスを開発し、市場をリードしていくことができると信じています。

最後に、AIエージェント時代の事業開発において、重要なのは「人」であることを忘れてはなりません。私たちの場合は営業マンです。
解決したい対象の人を誰よりも深く理解し、苦しみや大変さを肌身感じることで肌触りのあるAIエージェントに仕上がると思います。

AIエージェントはあくまでもツールであり、それを活用するのは人間です。
僕たちが作りたいのは無機質なロボットを作りたいのではありません。営業マンがそのインターフェイスを最大限活かし、温かみのある営業に集中できるよう、AIエージェントと人間が協調し、互いの強みを活かすことで、より大きな成果を上げることができると信じています。

私がリードさせていただいているカスタマーサクセスチームですが、上記のように顧客とびっくりするほどハイタッチで向き合いまくることで、Devチームが爆速で解決してくれる、超楽しい事業フェーズです。

目の前の営業マンの苦しみを解決したい、と言うレベルではなく顧客の事業グロースを決定的に牽引する存在になろう。と思って日々顧客と向き合っています。
顧客の目の前に立つカスタマーサクセスは自分一人ですが、その後ろには強力なBiz・Dev・AIエージェントが控えています。後ろ盾を日々強力なものにしてグロースパートナーとなるよう日々研鑽積んでいます!

・営業領域の課題を解決したい
・自分が顧客と向き合い考え続けた結果AIエージェントとして多くの営業マンの課題を解決する、本当に意味ある、形残る事業開発をしたい

と言う方、ぜひお話ししましょう!(⇩カジュアル面談こちら)


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CEO池田の記事はこちら💁


CPO池谷の記事はこちら💁


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