結婚10周年の節目に、結婚指輪をなくした夫。私たち夫婦にとって、指輪に代わるモノとは?を考えてみた。
「実は、謝らないといけないことがある…」と勤務中の夫から突然の電話。何をしでかしたのかと身構えると、「結婚指輪をなくした」と衝撃の一言。
夫は船員で、現在乗船勤務中。業務終わりに自室で指輪を外し、デスクの上に置いておいたはずなのに、部屋中探しても見つからない。リネンに巻き込まれたかと思い、ランドリールームもチェックしたが、やはりないとのこと。
私は娘たちを連れて外出中だったこともあり、「それだけ探してもなかったなら、残念だけどしょうがないよ。もし出てきたらラッキーくらいに考えるしかないね」と理性的な返答をしたものの…。
夜になるにつれ、
・2人で用意した、思い出のもの(+高額)なのに。
(私たちのモデルは、ひとつの原石から2つのダイヤモンドのみを採出した、双子ダイヤモンドをセットしたものでした…。)
・結婚10年目になくすなんて、縁起が悪くない?
・2人をつなぐ象徴的なものがなくなって寂しい。
と、どんどん気分が沈んでいきました。
夫は、年間8ヶ月は家を離れて乗船勤務をする生活。家にいる間は指輪を外していることが多いものの、乗船日には「私の存在を感じられるから」と、必ずつけて行っていました。
私も結婚後は指輪をつけるのが習慣になり、つけ忘れると一日中何だか落ち着かないほど。
離れている時間が長い私たちにとって、結婚指輪は、お互いの存在を感じられる、象徴的なものだったことを、なくして初めて痛感しました。
じゃあ、どうする?と2人で話し合いましたが、
・新たに指輪を作るのは経済的なダメージが大きい。
・夫は、これまでにも数回指輪をなくしかけたことがある。
・新しく作ったとしても「次は絶対になくせない…!」と、指輪が癒しではなく、プレッシャーになってしまいそう(笑)。
という理由から、指輪の作り直しは最適解ではないとの結論に。
指輪は無理でも、代わりになるものがあると嬉しいと言う夫。日常使いができて、相手の存在を感じられるもの、って難しいですよね。
夫の仕事は制服着用なので、身につけるものは指定品がほとんど。結婚指輪を買わない場合、キーケースや財布を代わりに贈るケースもあるようですが、船上ではそれらを使う場面がほとんどありません。腕時計は、既にお気に入りを持っているし…。
陸上と比べて、限られたアイテムで暮らす船上の夫に、贈れるものなんてあるんだろうか、と悩んだ末に行き着いたのは、ボールペン。
夫は仕事柄、筆記具を社外の人の前で使う機会が多く、指定品で固められた中で、自分らしさを演出できるポイントでもあります。
颯爽と(かは分かりませんが)した制服姿の胸ポケットから出てくるボールペンは、イメージを壊さない、上品なものであってほしい。そんな個人的な希望もあって、老舗ブランド、パーカー社のソネットを贈ることに👇。
ツイスト式で落ち着いたデザイン。品はありつつも高すぎない¥10,000台。名入れができて(紛失対策)、リフィルも手に入りやすい、という魅力的な条件が揃っています。
離れている間、夫が一番よく使う、ちょっと良いアイテムを贈ること。結婚指輪の代わりとはいかないまでも、今の私たちにとって、最適解な気がします。
なくした事実に落ち込んだままスルーしたり、相手を責めて終わったりせず、解決策を考える方向にシフトできた私、偉かった!と自分を慰めつつ、やっぱり未練が…。
どこかから出てくると良いなぁ。
★見出し画像は、めでたいこさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。