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【詐欺撲滅】高齢者をターゲットとした2大悪徳グレービジネス大全
先日、我が家のポストにこんなチラシが入っていました。
「大企業・官公庁で機器入れ替えとなったノートパソコンをお譲りします」
本日は年末年始にご実家に帰省する方向けに、今高齢者はこんなグレービジネスのターゲットになっているのでご家族で要チェック!〜という注意喚起となります!
PCの中古販売
著作権トラブル防止のために実物を掲載することは控えますが、このチラシ、有償譲渡会のお知らせと題してノートパソコンの中古販売をしている業者のよう。
さて、見てみると、メモリ8G、SSD120GB、CPUセレロン最新のWindows11インストール済み▶︎一台28600円。
いかがでしょうか?ツッコミどころ満載なこのスペックと価格。
core i3版は41800円。
PCに少し詳しい方であれば、これがどれだけ規格外の値段設定か?というのがわかるかと思います。
当方の地区は特別に高齢者が多い昔ながらの風情あるエリア。
おそらくこのチラシで時代に取り残されないようにと、有償譲渡会に足を運び、ここからオプション、そしてマウスなどをセットで売りつけていこうというビジネスであると思います。
悪いなんて言いません、普通に合法のビジネスです。
情報弱者に向けた、、、つまり俗にいう情弱ビジネスが悪であるとはいいませんが、こういった無知に漬け込むようなスタイルのビジネスは高齢者介護を長い間在宅で見てきた筆者としてはやはり社会に注意喚起だけでもしておきたいと思うわけであります。
ご両親やおじいちゃんおばあちゃんがこういったグレーなビジネスに引っかかりそうになった場合は是非声かけをしていってほしいと思うわけであります。
またPCの購入を迷っている方がいらっしゃいましたら、PCというのは同じ外観をしていてもスペックと呼ばれる中身の性能によってできる作業に雲泥の差が生じますので、必ずよく知った方(大手家電量販店の店員はNG)に相談しながら購入するようにしましょう。
次の情弱ビジネスはもう少し悪徳です。
不用品回収の闇
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一度経験したことがある方であれば、わかると思いますが、「不用品ありませんか?無料回収します」というもの。
もちろん不用品の回収は無料ではありませんし、不用品の買取をセットで行なっている業者もいます。
これも高齢者が被害に遭うケースも多く、情報の少なさから騙されていることが多いわけであります。
高齢者が多く住む筆者のエリアでもよく訪問で回ってきますが、一度家にあげてしまったら最後、勝手に家の中を荒らされていろんなものを買い取ろうとしてきます。
高齢者の方は、言われるがままに押し入れの中を出してあれよあれよというまに契約書にサインを書かされて、根こそぎ持っていかれる。
自分で出して自分でサインしたんだから泣き寝入りというケースが実は非常に多いんです。
というのも、高齢者も「あれだけの量を出して2000円もらったけど、本当に適正価格だったんだろうか?」という疑惑が後から湧いてくるわけですね。
長澤まさみさん主演のコンフィデンスマン、運勢編で出てきた不用品買取業者のまさにあれです。
あれは決してデフォルメしているわけではなく、かなり忠実に再現、いやいや、場合によってはオブラートに包まれて表現されているとさえいえるわけです。
物の価値を家族でシェアしておく
おじいちゃんおばあちゃんによくあるあるですが、現代での物の価値が正確に把握できていないということが挙げられます。
例えば真珠のネックレス。
昔100万円で購入した本物なんだけど・・・
どこに持って行っても1000円くらいと鑑定される、そして家族に調べてもらっても同じ答えが返ってくる。
すると、「そうか、時代はこんなものなのか、受け入れなきゃねえ」という発想にだんだんなってくるわけですね。
ここからが重要ですが、当時100万円で購入した真珠のネックレスよりも遥かに安価で購入した金のネックレス。
「真珠のネックレス(ご本人にとっては相当価値の高い物)がこんな値段になっているのだから、それよりも遥かに安く購入したこれなんかは500円くらいかしら・・・」
という思考回路になってしまいます。
もうお分かりですよね。
例えば、1970年代初頭、日本では金価格が現在よりも大幅に低く、1gあたり数百円程度で取引されていたと推定されます。
(※1973年に1グラムあたり690円)
現代ではどうでしょうか?
幅はあるものの概ね1gあたり約10,000円程度以上で取引されていることが一般的です。
(※執筆時点では1gあたり14,746円)
するとどうでしょうか?
1973年、20歳の時に記念として思い切って100g相当のネックレスを購入したおばあちゃん。
購入価格は当時 69,000円でした。
1970年代初頭の日本における大卒初任給は、一般的に月額 30,000円から50,000円 程度とされています。
それはそれはもう一年頑張って貯金して、まさに大枚叩いて購入した記念のネックレスです。
現在の1gあたり14,746円で換算すると、ネックレスの価値は 1,474,600円 になります。
価格は 約21.37倍 に上昇しています。
本来なら140万円以上くらいの価格で査定買取がされなければいけないような金のネックレスです。
しかし、こういった相場のことを何も知らない、そして真珠のネックレスで意気消沈してしまったショック状態のおばあちゃんが500円程度だと高を括る状態で、「今回は特別に10万円で買い取りましょうね」と言われると・・・
一瞬では脳の処理が追いつかず、「10万円ですか?!購入した時よりも高くなっていますよ?!まあうれしい!」とサインしてしまうケースが現代の日本でどれだけの数発生しているでしょうか。
読者のみなさんも、特別日々攻めた形で投機や投資を行っていない限り、金100gの半世紀相場を瞬時に計算できなかったはずです。
この被害、実は実際に筆者の祖母が遭いそうになっており、直前で筆者が止めたので難を逃れました。
我が家のケースでは、訪問業者が「このネックレスとかアクセサリー類はまとめて1万円で買い取りますよ」という交渉を行っている最中にたまたま筆者が帰宅し、「ちょっと待ってくれ、これ金のネックレスじゃない?計量して相場見るからちょっと待ってください」と業者にいうと、本当にコンフィデンスマン系のドラマの中のようなアクションで逃げるように去っていきました。
(※ちなみにその後別の金買取のお店に一緒に持っていき、チャートを一緒に見ながら63400円という価格をつけてもらいました。)
今回はノートパソコンのチラシでしたが、こういったチラシがポストにまだ入れられているという現状を考えると、似たような、そして同じような被害が全国各地で起こっていると考えられます。
年末年始、ご実家に帰られた際は家族で注意喚起をしたり、現物資産の把握と整理。
また少し認知症の発症が疑われる場合には、大きな資産、例えば不動産などの権利証や金などは、鍵が2個揃わないと開かないような金庫に入れておくなどしっかり対策をして、ご両親やおじいちゃんおばあちゃんの財産を守ってあげてください。