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幼馴染から闇バイトに勧誘された話
4月もあっという間に終わりですね。新生活を始めた皆さんいかがお過ごしでしょうか。新しい学校や職場……そういうものとはずいぶん遠ざかってしまったので、ちょっと羨ましい感じすらあります。
バンドの方は3曲のレコーディングを終えまして、どんな感じでリリースしようか考え中。さらにライブでは作りかけの新曲を演奏していますが、みなさんの反応とかをフィードバックしてスタジオであーだこーだ言っています。しばし待たれよ!
で!話は戻って新生活を始めたみなさん!いろいろ伝えたいことはあるんだけど、とにかく「アウトなバイト」には本当に気をつけてください。大人になってしばらく経つと分かるんですけど、世の中いいやつばかりじゃないのです。案外身近に悪い人達がいるんですよ。
僕は19歳の時にアウトなバイトに誘われました。そう、掲題の件です。
確か2004年、ちょうど大学1年生の冬休み。小学校から高校まで付き合いのあったN君からメールが届きます。曰く、ちょっと話がしたいから家に行っていいかとのこと。
ちなみにこのN君。前回のnoteで彼女に二股をかけられた相手です。ここまでくると因縁を感じますね…。今会ったら笑って話せるんですけど。元気にしてるかなー。
で、家に来たN君から「良いバイトがあるんだけど一緒にやらない?」と言われるわけです。お金が無い学生だった僕にはありがたい話でした。美大生ってとにかく金がかかるんです。絵の具高え〜!
話をよくよく聞いてみると、
●飲料や食料品のカタログ販売の営業
というものでした。ここまでは「そんないいバイトか?」って感じだったんですけど、
●友達を営業マンとして勧誘すると20万もらえる
というインセンティブがついていました。
はい、アウトです。いわゆるマルチ商法です。ネズミ講ともいいます。当時はネットワークビジネスという呼称でいかにも「最先端のビジネス」感を出していました。詳しくは消費者庁の資料をごらんください。まんまコレです↓
https://www.caa.go.jp/publication/pamphlet/pdf/120712pamph.pdf
まあ普通の大人なら「こんなうまい話はない」って分かるんですけど、当時は片田舎の大学生。社会経験なぞ皆無です。チン毛が生えてまだ6年くらいしか経っていない。ねずみ講という言葉自体は知っていましたが、まさか自分ごとになるとは夢にも思ってないわけです。しかも相手は小学校からの幼馴染、同じ女に童貞を奪われた同志。疑う方が難しかったと思います。
おろしたてのブリーフのように純真無垢な僕はすっかりその気になってしまいました。N君いわく、バイトのセミナーがあるから小田急線の向ヶ丘遊園駅に3日後に集合してくれ、とのこと。
当時ネットは存在してましたし、調べようと思えば調べられたと思うのですが……やはり幼馴染の誘いということもあり完全に信用しきっていました。
そして3日後。セミナー会場に着いた僕はを待っていたのは、スーツと黒い肌の「いかにも」な連中が声高にこのビジネスの素晴らしさ、可能性を語っている姿でした。どう見ても怪しい、というかチンピラ系だったんですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1714319403828-GOMYUBE9Zp.jpg?width=1200)
不良と縁遠かった僕は直感的に「まずいところへ来てしまった」と思いました。彼らの会社は「アースウォーカー」。今でも検索すると出てきますが、この3年後に創立者が逮捕されるネズミ講の会社です。5500人以上の大学生を騙してたみたいですね…。
これはなんとか理由をつけて逃げるしかない……という僕の心中を察してか、セミナーが終わるとN君とチンピラ達に強制的に囲まれます。そして強引に駅前のファミレスへ直行。当時の僕はラグビーで鍛えてはいたものの、いわゆる半グレ的な輩のオーラに気圧されてしまいました。(あとで聞いた情報によると、スポーツ進学校のドロップアウト組が多かったようです。どおりでガタイがよかったわけだ。)
ファミレスのボックス席で、チンピラ達から「君の夢をビジネスで叶えよう」とか「俺らと一緒にビッグになろう」的なことを言われます。「いや、直近の夢は家に帰ることです!」とは言えずに、一番奥の席に座らせられて逃げられません。N君も目をギラギラさせて説得してきます。
ここまでくると流石に「これバイトというかヤバい仕事だ」と分かってくるのですが、いかんせん逃げられないため話が終わりません。たぶん2時間くらいは囲まれてた気がする。帰りたい。一刻も早く帰りたい。
悩んだ末に、とりあえず「やる」と返事をしてバックれようと思いました。しかし本当に甘かった。とちおとめくらい甘かった。彼らとしてはそんなことは想定内だったようです。
チンピラ「OK!やるんだね?じゃあ入会金を払ってくれる?」
え、金払うの?
バイトするのに金払うってなんやねん!しかも金額は60万円。
当時の僕の預貯金は数百円でした。(それはそれでどうかと思うが)
金ないので無理です、という僕に対してチンピラのリーダーが放った言葉はいまでも忘れられません。
「隣に消費者金融があるから大丈夫!ビジネスには資本金が必要だよ?俺らも一緒に行くから!」
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