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いしばなし

インストバンドtoconomaのギター石橋がお届けするよもやま話。バンドにまつわること、デザインのこと、コラムなど。SNSでは書ききれない話をします。
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#コラム

曲名を決めるのはいつも大変

……なにしろインストバンドですから。 歌詞がない、すなわち言いたいことがないわけです。メッセージ性は皆無。僕たち社会の歯車!ただ黙して働くのみ。歌詞があるバンドを横目で見ては「いいなあ」と思ってるわけです。…まあ歌詞書くのも大変なんでしょうけど。とはいえこちらは超手探り状態。曲の雰囲気に合った言葉を探すのに毎回苦労しています。なんの論拠もないからね。 デモの段階で仮タイトルをつけるんですけど、微妙に悩みます。そのまま採用される時もあるので、けっこう慎重になるというか……

トコノマヒストリー第4話:ベーシストを募集してみた

前回はコチラ。 そんなこんなで、toconomaと名乗り出した生まれたてのバンド(らしきもの)。そのネーミングには誰も納得はしていないが……まずはバンドが前進した手応えがあったのも事実。翌週には西川と旧ドラムKとで渋谷のスタジオに再度集まり、なんとなく曲を作り始めたのだった。 ところで2007年当時、流行っていたのはいわゆる「クラブジャズ」と言われていたシーンだった。完全なジャズっていうより「ジャジー」くらいのメロディ、洒落たコードに四つ打ちのビート…勘の良い方はお分かり

トコノマヒストリー第2話:スペアザ先輩をコピーする

前回はコチラから。 さて、グループ会社研修で意気投合したメンバー。ノリでスタジオに入ってみたが、ベースがいない上にギターが3人もいるという編成だった。基本的にギタリストって人種は掃いて捨てるほどいるのだ。課題曲は前述の通りSPECIAL OTHERS先輩のAIMS。 超有名な曲ですね。大好き。でもこれバンドでコピーするとわかるんだけど…めちゃくちゃに難しいのだ。一聴すると「練習すれば弾けそうじゃん??」って思うでしょ。確かに譜面はわりと優しいと思う。でも譜面に書けない「ノ

トコノマヒストリー第1話:春〜入社と出会い〜

2007年春。働きたくねえぇぇ〜ッ!と学生生活に後ろ髪を引かれながら、僕は某広告会社に入社した。なで肩にピカピカのスーツ。カカトが痛い安物の革靴。親父のおさがりのネクタイ。見た目はフレッシュマンらしく整えてみたが、中身はミュージックラバーな美大生のままである。一ヶ月前に有終の美を飾った軽音楽部の卒業ライブが忘れられない。これから社会の荒波にモミモミされ、音楽からも遠ざかり社畜になるのか……不安9割と希望1割が混じり合った4月。満開の桜が恨めしく見えたのを覚えている。咲き誇るっ