トコノマヒストリー第1話:春〜入社と出会い〜
2007年春。働きたくねえぇぇ〜ッ!と学生生活に後ろ髪を引かれながら、僕は某広告会社に入社した。なで肩にピカピカのスーツ。カカトが痛い安物の革靴。親父のおさがりのネクタイ。見た目はフレッシュマンらしく整えてみたが、中身はミュージックラバーな美大生のままである。一ヶ月前に有終の美を飾った軽音楽部の卒業ライブが忘れられない。これから社会の荒波にモミモミされ、音楽からも遠ざかり社畜になるのか……不安9割と希望1割が混じり合った4月。満開の桜が恨めしく見えたのを覚えている。咲き誇るって……咲くのは分かるが勝手に誇るなよ。こっちのことも考えろよ!
入社して最初の2週間はグループ会社での合同研修。偉い人のありがたい話を聞いたり、名刺の渡し方だったり、お辞儀の角度だったり。各会社から選ばれた班員と社会化に臨んでいた。朝早い研修はツライの一言だったが、班のメンバーがみな音楽好き&楽器経験者ということもあり意気投合。その中に現キーボードの西川と旧ドラムのKがいた。こちらが当時の写真。
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