物価の安定ってどういうこと?なんで物価が大事なの?-物価から考える経済のしくみ②-
(3分で読めます)
今回は、物価から考える経済の話②!修正版!
「なぜ物価が重要なのか?」です。
第1回の話をまとめると、
①景気と金利には強い関係がある
②国の経済が発展するには金利のかじ取りが大事
③金利の操作は“金融政策”をもとに、中央銀行が行っている
というようなお話をしました。
日本銀行は「金融政策」を決定し、政策に合うように「銀行金利の操作」をしています。
そして、日本経済の健全な発展に役立つことを日本銀行のあるべき姿だとしています。
その日本銀行が目指しているのは、『物価の安定』です。
そしてこの目標は日本だけでなく、他の国も同じ。
例えばアメリカでお金を管理する中央銀行であるFRBの目標は、「雇用の最大化」と「物価の安定」です。
『なぜ、物価が重要なのか?』を今回は注目してみたいと思います。
インフレやCPIの話の前に、これを書くべきだったんよ!!
順番が前後してしまいましたが、これを読めば話がぐんと分かりやすくなる…はず!どうか付き合ってやって下さい!
◎物価の安定ってどういう状態??
そもそも『物価の安定』とは、どういう状態なのでしょうか?
調べてみると、日本銀行のHPに定義が書いてました!
物価の安定とは、『家計や企業等の様々な経済主体が物価水準の変動に煩わされることなく、消費や投資などの経済活動にかかる意思決定を行うことができる状況』とされてます。
つまり、どういうこと??笑
となるので、逆に『物価が安定していないとどうなるか?』の例を見てみましょう!
◎物価が安定してないとどうなる??
今の日本は物価が急激に変わったりせず、安定している国です。そのため数年後の買い物など、将来の計画も比較的考えやすいです。
これが急激に物価が変動しやすくなったらどうなるかを見てみましょう!直近の例でいうとトルコ!
トルコの現地通貨はトルコリラ(TRY)です。
トルコでは昨年、インフレ率が80%を超え、ニュースなりました。具体的な例として、マクドナルドのビックマックの価格を調べてみました!
2012年7月のビックマックの価格は8,25TRY。5年後の2017年7月では、10,75TRYでした。
5年で1.3倍になりました。
それが5年後、2022年7月だといきなり47,00TRYに!同じ5年間で4.3倍!!
半年後の2023年1月にはなんと!88.00(TRY)!
半年でまさかの1.9倍!6年で8.18倍です!
日本円で考えると、500円のビッグマックがいきなり900円になるってことですよ!半年で!
500円のビッグマックが5年で4090円になってるってことですよ!笑
ちなみに現在2023年5月、マックデリバリーでビックマックを頼もうとすると!
107,00(TRY)です!
この値上がり具合が伝わりましたでしょうか!笑
そしてもちろん、値上がりしているのはビッグマックだけではない!
前回説明したコアインフレ率も2022年10月に前年比70.45%を記録しています。
つまり、トルコのモノやサービス全体の物価が1年で1.7倍になっているということ。食べ物もお家も交通費もみーんな値上がりしているのです。
こんな状況になってしまうと、今まで蓄えていたお金はどうなるでしょうか?
一年で1.7倍もモノの値段が上がってしまったら。
例えば学費やマイホームのためのお金、ちょっと良いものを買おうとしていたお金、蓄えていたお金の価値が一年で約半分になってしまいます。
今1000万円だったお金が、1年後に500万円になってしまうというような感じです。
このような状況が続くと、計画をたててお金をつかう自体が難しくなり、消費者の行動が物価に振り回されることになってってしまいます。
だからこそ、物価がいきなり大きく変わって生活に影響しない、安定している状況にすること=物価の安定が大切です。
国はこれを目指して、具体的な数字で金融政策を立て、物価が大きく変動しないように実行しています。
◎『物価の安定』の具体的な目標は?
ここまでは、『物価の安定とはどういうことか?』をみてきました。
ただ日常生活の中では、モノの「値上がり」「値下がり」はなんとなく実感するものの、客観的な数字として確認することはほとんどありません。
ですが日本銀行では、みんなが理解できる具体的な目標を立てています。
どうやって物価を確認し、物価の安定のためにどのような目標を立てているのか?
次の記事はそのような内容です!
話の内容が前後してしまいましたが、初めて読む方はそのまま!前も読んだ方は復習がてら!
ぜひこちらからどうぞ!