「みんなやってるから」で選んで後悔するもの。
世は『資産形成』や『投資』の時代。
来年からNISAの制度が変わることにあわせて、いろんなところでお金の話を目にします。
NISAやiDeCo、やっていますか?
また保険会社でも、海外金利の影響で外貨建ての一時払い商品がとても人気です。
知り合いから「この商品に入ろうと思うの!」という話も聞くようになりました。
そんな中で気になるのが「みんなやってるから、もったいないからという理由で、お金のことを決めてない?」ということ。
最近、「〇〇みたいな商品流行ってるし、こういう時代なんだから売れなきゃ」とか、「がん保険みんな入ってるし、いるでしょ」という話を周りから言われました。
私は思わず『は?それがみんなに良い根拠どこ?ほんまにお客さんにいると思って売ってる?孫正義なら医療保険とがん保険いるか?いらんやろ!』と考えてしまいました。(屁理屈っぽいので一応言ってはいません。笑)
今話題のNISAなどもそうですし、特に生命保険は「みんな入ってるから!」が加入の理由になりがち。
でも個人的には、「みんなやっているから」「もったいないから」で始めると一番危ないものが『お金の話』だと思うんです。
今回はその理由を考えてみたいと思います。
『お金』と『人生』の関係性
突然ですが一番好きな食べ物はなんですか?
逆に、嫌いな食べ物はありますか?
唐揚げにレモンはかけて食べる派ですか?
目玉焼きには醤油ですか?ソースですか?
私は海鮮が大好きで、牡蠣やタラ白子、あん肝はお店にあると必ず頼んでしまいます。
唐揚げにはレモンをかけるし、目玉焼きは何もかけない派です。
ですが周りの友人には、タラ白子やあん肝が苦手な人が結構います。直属の上司は牡蠣が苦手です。目玉焼きには醤油をかける人が多いです。
食べ物ひとつとっても、みんな好みはバラバラ。それが『人生』となると、もっと好みや幸せに感じるものが分かれると思います。
結婚するかしないか、子どもがほしいかどうか、休みの日に何をして過ごすか、何にお金や時間をつかうのが好きか。
「多様性」が注目される時代、幸せや将来への考え方もバラバラです。
ただ何をするにしても「お金が必要になる」のは確かだと思います。しかし、『人生に必要なお金の額』はみんな同じでしょうか?
給与や収入も、家賃やローンの額も、生活費やどこにお金をかけるか、何につかっているかもそれぞれ違う。
であれば、必要なお金も違うはず。
だからこそ『お金の話』をするときには、大なり小なり自分自身のことを考えることが重要になってきます。
勧められたまま始めてしまうお金の話
「必要なお金はみんな違う」はず。
ですが、「みんな入ってるから、やっているから」「周りに勧められたから」「もったいないし」「〇〇くらいやっとけば」と始めがちなのが、金融商品やお金の話でもあります。
例えば、生命保険文化センターで出ている調査結果(平成30年度)では、約23%の人が知人・家族の勧めで保険に加入したと答えています。
またNISAに関しても、NISA開設のきっかけはSNSと答えた人が約21%、友人・知人・家族の勧めと答えた人が約17%でした。
(J.D.パワー2023年NISA顧客満足度調査)
大事なお金の話だから、自分が信頼できる人から勧められたら信用できる。私自身も、お客様を紹介していただくときは、その力を借りています。
ですが信頼できる人に勧められたまま、金融商品を買っていませんか?本当に必要か、考えたことはありますか?
目で見えないお金の話
投資を始めたり保険に加入したり、金融商品を契約するには、かならず『対価』があります。
投資の場合は「お金が減る可能性(リスク)」が、必ずついてきます。100%絶対に成功する投資はありません。
保険の場合は「保障に支払うお金」が必ず発生します。投資と一緒になった商品でも、保障の費用は必ず発生します。
ですが金融商品は実物を確認できないため、対価を払ってまで必要なものなのか、本当に合っているのかを確認しにくいものでもあります。
洋服であれば、試着等で生地感やサイズ等を見たり、ほつれやボタンを確認できますが、金融商品ではそれが確かめられません。大きすぎても小さすぎても、ヨレヨレか似合っているかどうかも見れません。
販売側の人間や勧める人間は、すべてがきれいにラッピングされている、ぴったりのモノのように話します。ですがそれを不安に思う人も多い。
なので“平均の金額”や、“みんなと同じ”ことを気にする人が多いです。ですがそれだと、サイズ感が違っていたり似合ってないものを選んでいる可能性もあります。
または〇〇不要論のような極論だと、必要なものまで準備できてなかったり、逆にいらないものを買っていることも。
だからどうしても、お金の話に関しては『自分で考える必要』があります。
『自分に合ってるか』を考える時代に
お金の話ってよく分かんないし、考えるのって体力いるし、本当に面倒ですよね。だからみんな「とりあえずよさそう」に流れてしまいがち。
それでも今までなら良かったんです。
似たような経済環境の家庭が多く、寿命も短く毎月の公的年金も、もらいやすかったので。みんな同じことをしていれば困りませんでした。
ですが今は多様性の時代。寿命もかわって自分の努力が必要になり、家族構成もバラバラになり、それぞれの幸せも変わっています。
しかもお金に関する話は「思い立ったが吉日!」です。夏休みの宿題と同じで、後回しにしてギリギリになると、必ずしわ寄せが発生します。
「めちゃめちゃ損してしまった!」とか「思ったよりお金がもらえない!どうしよう!」となることがあります。気づいたときには取り返しがつかないことも多々あります。
だから金融商品で何かを始めるときには「みんなやってるし、なんとなく良さそうだし」という前に、『自分に合っている?リスクや費用を支払ってまでいる?』を考えてほしいのです。
そのためには「将来」を考える必要も出てくるけど、そんなにガチガチに将来が見えていなくても大丈夫。修正できるように、基礎を作っておけばいいのです。お金には名前もついてないし。
だからまずは、少し気にして「考えること」から始めてほしいな~と思ったコタニでした。