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世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅- / 森を創る民のささやき
「森を創る民のささやき」ブログでの記事(2014年5月25日)とその追記記事です。
#139 世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅-
昨年、STRAMDの講座で金子先生に勧められた映画「世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅-」。
渋谷のイメージフォーラムでの上映で、そのときは都合が悪く、観にいく機会を逃したが、最近ふとそのときのチラシが出てきて、調べると、恵比寿の写真美術館で上映しているということを知り、観にいく。
たまたま、行った日(5月24日)は、上映後のトークショーがあり、配給会社の人と美術館の学芸員の方の説明も。
ドキュメンタリー映画で、「プロジェクトX」的な予定調和な話ではないが、非常に面白い内容だった。
はじめて、STEIDL社という存在を知り、
・作者の表現したい意図を汲み取り、ふさわしい印刷・製本を行う
・印刷・製本などの工程を自社で行ってしまう
そういう質の高さが評判となり、
・CHANELのカタログ制作や、様々な著名アーティストの出版を手がける
・2年先まで予約で一杯
ということを知る。
観て感じたのは「手間を惜しまない、丁寧な仕事の追求」。
DTP技術の進化で、人件費の安いところでのレイアウト・データ作成や、工賃安いところでの印刷・製本などの地域分業、紙質・インクの標準化などといった、さまざまな効率主義が進む中、自社製造にこだわり、作家が望むならば、あえて手間のかかる方法もとる。
何よりも、手間を惜しまない点は、商談ですら、電話やメールで済ますのではなく、本社があるドイツから、作家のいる国に出向き、話を進めるというスタイルにも現れている。映画に出てきた国でも、アメリカ・カタール・フランス・イギリスなどに飛んでいる。
ふと思うと、一昔前の日本のビジネスも、こういう風だったのではないかと感じる。ある時点から、効率主義に偏重したため、品質競争ではなく、価格競争の世界に飲み込まれてしまった「日本」。
東京都写真美術館での上映は2014年5月30日まで。
毎日10時30分からの一日一回の上映。
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森を創る民のささやき
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