家業継承と地域活性のため、クラファンやってみた気づきと今後の取り組み
はじめに
2022年3月〜5月に実施したクラウドファンディングは、支援者数283名、支援総額420万円の目標140%達成で終えることができました。
温かいご支援、ご協力をいただき本当にありがとうございました。このご恩は返礼品はもちろんですが、最後までプロジェクトを完遂することでお返ししてまいります。
このnoteは、次にクラファンに挑戦する方への後押しや何かのご参考になればと思い、クラファン実施中や実施前後でやったことやその気づきを書いています。
なぜ、クラファンをしたのか?
長年お世話になった真珠工場やそこから見える綺麗な景色を後世に残したかったからです。真珠養殖業という業態では引き継げないものの、これまでの歴史や文化、人の想いを大事にしながらポジティブな形で継承していきたいと考えました。
市内外の人と人がつながり、知恵を持ち寄って、地域にポジティブな変革を起こしていく場、次に志摩を代表する産業の種を育む場として「ソーシャルイノベーションラボ(通称:海ラボ)」を設立準備を2021年6月より開始しました。昔から地域の教育や雇用選択の多様化へ寄与したいという考えがありましたので、ここへ合流する形でプロジェクト化しました。
綺麗な言葉を並べてしまったかもしれません。最初というか、根っこの部分はシンプルに「地域をより元気にしたい」という想いからスタートしています。
スタートしてから様々な人と話していくなかで、英虞湾の魅力によって多くの人を惹きつける可能性があると感じるようになりました。実家の事業再構築が地域の今後の希望の光になるかもしれない。自分のように一度外に出た人が戻ってこれるきっかけになればという期待もありました。
このプロジェクトを進める資金も必要ですが、ビジョンに共感し前向きに一緒に進めてくれる「仲間」が必要です。noteやSNSを通じて、現地で協力してくださる方も徐々に増えましたが、直接現地にはこれないけど何か応援したいという気持ちを持ってくれた方々がより参加しやすくなると思いクラファンに踏み切りました。
詳細については、以下のnoteにも書いていますのでお読みいただけますと幸いです。
なにを、どうやったのか?
一番大事にしたこと
最初に決めたことは、「一人でやらないこと」と「無理をしないこと」でした。僕はクラファンはもちろん経営も事業再生も素人ですから、その2点はずっと頭にありました。
普段、人事という仕事をしていますので、採用や組織づくりに近い領域で且つ、自分が好きなことに集中した方が上手くいくと思っていました。
どう進めたのか
「餅は餅屋」という言葉もありますが、随所において知識や経験ある方に協力を仰ぎました(以下、参考例)。何も実績がない中でお力を貸してくださった皆さんには頭が上がりません…
全体の絵を描くのが上手な方
PRが得意な方
クラファンが得意な方
プロジェクトマネジメントが得意な方
デザインが得意な方
写真や動画が得意な方
地域との折衝や巻き込みが上手な方
コミュニティをつくっている方
イベント開催が上手な方
インフルエンサーとしての力がある方
地域や事業への愛や熱意があり、それが伝わればきっと応援してくださる方はいます。自分で言うと、かなりはずかしいですが、次に挑戦する方の背中を押すつもりで敢えて書き添えておきます。
関係者の巻き込みや連携
地域の方々や市外の方を巻き込み進めることは重要なポイントでした。
市内・市外関係なく様々な人が入り混じってプロジェクトを進める、それが最終的に海ラボが目指したい姿だったからです。
プロジェクト内容からして、志摩市役所の理解は必須でした。
ありがたいことに、関東からUターンしてきた熱意のある職員さんに伴走いただいたり、橋爪志摩市長にはクラファンへの「応援メッセージ」をいただきました。また、一緒に工場の片付け作業をしてくださった方もいます。
また三重県、県内教育機関、「真珠」にまつわる体験やギフトを提供してくださる方、地元の食材を提供してくださる方、地元企業や県外の多種多様な方々に対して地道にですが声をかけ続けていく中で協力してくださる方が増えていきました。皆さんの最終的な目的は少し違えど、「地域を元気にしたい」という共通の想いに共感いただけた部分もあったのだと思います。
クラファン中のちょっとした心がけ
クラファンをされたことがある方にはとっては基本中の基本と言われるかもしれないですが、クラファン実施中に心がけていたことを記します。
一人一人へ直接メッセージを送る
いただいた疑問や質問には全て回答する
イベント等のお誘いには全て参加する
活動進捗はまめにSNS等で共有する
支援者同士のコミュニティをつくる
苦労したこと
苦労がなかったといえば嘘になるので書いておきます。
個人的な事情に見られる
ふんわりしたゴールに違和感を持たれる
全容が簡単に見えにくいため誤解が生まれる
なかなか振り向いてもらえない
時にはネガティブな言葉や厳しい言葉もいただきました(それも愛だと思っていますw) 。
また、クラファン前に体調を大きく崩してしまった時期もあり、活動を通じて家族にもたくさん迷惑かけたり、大げんかもしました。
「なぜ、そこまでしてやるのか?」と思われるかもしれません。
でも、今やらないときっと後悔すると思ったから。そして、自分が本当にやりたいから続けれているのだと思います。
活動を進めていく中で、多くの人への感謝とともに少しずつ覚悟や責任感のようなものも芽生えていきました。
やってよかったなと思うこと
最初3日と最後3日にアクセルを全開で踏んだこと。全体の支援額の8割以上がその6日間に集中しています
活動報告をマメにしたこと。投稿や個別メッセージにあとで気づき返信や支援をいただきました
変なプライドを捨てて、助けてを伝えること。実際に沢山の方に助けてもらえました…涙
現地、現物、現実をみてもらうこと。当事者意識を持って一緒に進んでくださる仲間が増えました。
色んな人とコミュニケーションを取ったこと。この活動をなぜ続けれるのか自分の理解と覚悟が深まりました(下に活動の動画を置いておきます)
今後はいつ、何をやるのか?
まずは、ご支援くださった方々へ、真心をこめて返礼品の準備を進めていきます。内容によって届く時期はバラバラになりますが、お楽しみにしていただけますと幸いです。
そして、今後本格的な海ラボのハード面の整備、コミュニティづくりやイベント開催等のソフト面の準備を着々と進めていきます。
変更する可能性が高いですが、現在の仮スケジュールはこちらになります。
2022年6月:護岸工事・建物工事の見積もり・補修作業
2022年8月:工事前 現地見学会・イベント開催
2022年9月:具体的な設計と工事計画と資金調達
2022年11月:ティザーサイトの公開
2022年12月:クラファン感謝イベント開催
2023年1月:工事開始
2023年4月:プレオープン(最低限の機能)
2023年xx:機能検証と連続アップデート、揺蕩うクリエイティブ構想
ビジョン
伊勢志摩には人を惹きつける大自然や神秘的な雰囲気があり、志摩市にほど近い伊勢神宮には年間1000万人近い方が訪れます。その皆さまに、志摩市の新たな旅行スタイルやライフスタイルとして、船を主な移動手段とし、さまざまな機能を持った真珠工場跡地を転々と訪れる過ごし方をご提案したいと思っています。
例えば同じ英虞湾内に、海ラボのような産業創出がテーマの場であったり、自然豊かな地を生かしたキャンプ場であったり、真珠づくりの体験場であったり、真珠や真珠養殖の廃材を生かしたアートに触れる場であったりと、オンとオフを行ったり来たり、揺蕩いながらクリエイティブな時間を過ごせる空間が最終的に描く絵になります。
そして、志摩市だけの話ではなく、日本のありとあらゆる地域で生かせることもあると思います。
家業継承に関する課題の内容、課題解決への切り口、具体的な取り組み、ノウハウ、その他のあらゆる情報やデータをオープンにして、さまざまな地域や人が力を合わせて進めるようにしたいと考えています。
お願いごと
家業や事業継承で地域活性化を志す方々のコミュニティを作っていきます。
「一緒にやってもいいよ」「興味があるよ」と言う方、ぜひコメントまたはDMをいただけると幸いです。
この記事を読んでくださった方で共感してくださった方、多少なり参考になったよという方、ぜひシェアをお願いできないでしょうか。
家業や地域活性で次にクラファンにチャレンジする方に届き、誰かの背中を後押しとなったり、参考となりましたら幸いです。何か僕がお力になれることや相談に乗れることがありましたらお気軽にお声がけください!
クラファンへご支援・ご協力いただいた皆様へのお礼
直接のご支援をいただきました皆様をはじめ、企画段階から一緒にプロジェクトを創ってくれた皆様、発信・拡散をしていただいた皆様、さまざまなイベントでご一緒くださった皆様、そして現地に足を運び一緒に汗をかいて海ラボづくりをしてくれている皆様、本当にありがとうございます。
このクラファン期間を振り返ってみると、さまざまな新しい出会いや懐かしい再会がありました。そして、祖父の代から続く真珠工場や故郷の志摩市にまつわるさまざまな思い出・感情を思いだしたり、新しい未来について話し合ったりしてまいりました。「好きな人と、好きな場所で、好きなことをする」率直に楽しい時間を過ごすことができたと思っています。皆様に深く感謝をいたします。
活動に関する情報はSNSで積極的に発信していますのでごらんいただけますと幸いです。
これからも長い道のりが続きますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
サポートいただいた分は、未来の高専や高専生をはじめとする、教育活動に利用させていただきます。宜しくお願い致します。