映画『ミッシング』ネタバレ考察/なぜ犯人は…!母親の絶望とラストシーン感想
ネタバレ感想:欠落を囲む物語
誘拐されるところから始まるのではなく、すでに娘が失踪した状態から物語がスタート。この始まりからしてエグい。
タイトルのMissingには行方不明の他に“欠落”などの意味があるが、行方不明の少女・美羽と事件の真相はもはやブラックホール化しており、母と父、報道陣はその渦に巻き込まれていく。欠落を囲むことで、欠落している美羽の尊さがくっきりと浮かびがある…そんな映画。
母親は娘が誘拐された日にアイドルのライブに行っていて誹謗中傷を受け、徐々に心が壊れていく。石原さとみ(母役)の絶望の演技もトラウマ級だったし、タバコを吸おうとして不意に涙をこぼす青木崇高(父役)の演技も渋かった。
(→ストーリーのネタバレあらすじ・結末の解説はコチラの記事へ←)
考察:ラスト結末をどう捉えるか
ラストはまさかの真犯人が見つからないパターン!!!
でも実際はこれが失踪や行方不明事件のリアルかなと思った。
TVや映画で多い内容は、ストーリー性の強い「見つかりました!」か「死体で発見された!」ばかり。
でも、その裏に数え切れない未解決の失踪事件があり、遺族は胸のつかえが取れないまま人生をおくり続けている。
そんな辛い現実、それでも生きねばならない、それでも生きていけるかもしれないという一縷の希望を描いた秀作だった。
次のページでは弟の圭吾が犯人だというミスリードや鑑賞者をギルティ(有罪)にする構造について考察していく↓↓