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「過ぎし日よ、ありがとう」
岐路に立たされた時に書いた詩。
自分に残ってるものは何かと考えた時に、
子どもの頃に感じた感性があると
気付いた。
「過ぎし日よ、ありがとう」
暖かな陽射しに包まれ
野原に横になる
日光を浴びた草の匂い
目を閉じるとよみがえる
湖面に映った青い空は
限りなく澄み渡っている
静かな風がさざ波を誘う
鳶が大きく何度も旋回する
時が止まり、あの日に帰る
道端の紫色のスミレはかすかに揺れ
蟻の行列は忙しく動く
柔らかな土に点々とする蟻地獄の穴
美しいすり鉢状の形態
しゃがんでいつまでも眺めている
オニヤンマがスーッと
風のように横切る
優雅な飛行に目を奪われる
時が止まり、あの日に帰る
目を閉じるとそこにある希望の箱
時折、取り出して眺めてみる
深く、豊かで優しい
自分探しの旅は果てしない
過ぎし日よ、ありがとう