コンピューターは膨大な計算ができる。じゃあ私たちには何ができるのか
現在多くの単純労働がコンピューターによって代替できるようになってきています。
自動運転が本格化したらドライバーはどうするのでしょうか。3Dプリンターがもっと高性能になったら職人さんはどうするのでしょうか。受け答えがしっかりできるAIが完成したら、受付やコールセンターや様々な接客業はどうなるのでしょうか。
そんな時代では、コンピューターが苦手なことを考えることが、生き残り成功することへの道筋になっていきます。
コンピューターが苦手なこと…その一つに「良い質問をすること」があげられます。
コンピューターは基本的に、答えを求めることに特化しています。しかし、その答えを導かせるためには、当然質問が必要で、それは今のところ人間の仕事です。
例えば、自動運転をさせるために、何が動き何が動かないのか…つまり人間や車と風景(木やビル、歩道など)の違いをAIに学習させていますが、「車と木を見分けるにはどうすればいいか」という問いは人間が出しています。
しかし「車と木を見分けるためのプログラム」を単純に人間が書くことはとても難しく、現在はAIに学習させることで、AIが見分けるような基準を自分で作っています。
つまり、質問を作ることは人間にできてコンピューターにはできず、答えを導くことは人間にはできずコンピューターにはできるわけです。
今やネットを探せばいろいろな答えが転がっていて、大量で豊富にある答えは、いつのまにか安価になっていっています。コンピューターは答えを出すのが得意ですし、大量に処理することも得意なので、「たくさんあるから安価になる」というわけです。
ですので質問こそ価値あるものなのですが、だからといって質問なら何でもいいというわけではありません。例えばグーグル先生に聞いてすぐ答えが返ってくるような質問は、結局安価な答えと同等な価値しか持ちません。
本当に価値ある良い質問は、その質問一つで、たくさんの質問と答えを生み出しうるものなのです。
例えば、アインシュタインは「もし光線の上に乗って飛んだら何が見えるか」という質問によって相対性理論や原子力が利用できるという発想を生み出しました。
誰かが良い質問をすれば、答えはコンピューターの力と大勢の発想力と努力によって導かれることでしょう。しかしいくら答えを導いても、その根っこにある良い質問にはかないません。なぜなら質問がなければ答えもないわけですから。
そんな「質問の価値」に気付いたであろう成功者の一人に、かの有名なパブロ・ピカソがいます。彼は1964年に作家ウィリアム・ファイフィールドに対して
「コンピューターは役に立たない。ただ答えを返してくるだけだ」
と言っています。
本当に良い質問は時代を変える力さえ秘めているわけですが、そんな質問とはどんなものなのか。参考文献からの引用ですが、以下に列挙して今回の投稿は終わりにいたします。
良い質問とは…
・正しい答えを求めるものではない。
・すぐには答えが見つからない
・一度聞くとその答えが知りたくなるが、聞くまでは想像もしなかったようなもの
・思考の新しい領域を作り出すもの
・ほかの良い質問を生み出すもの
・コンピューターには最後までできないかもしれないもの
・人間だからこそできるもの
参考文献:〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則 (ケヴィン・ケリー)
ps
最近新しい勉強法を試していて、なかなか良い感じ。
受け身にならず常に「改善点はないか」と考えることが、効率をあげるだけでなく、満足度や楽しさも向上させている気がします。