AIとBIによって変わる未来……ベーシックインカムの5つのメリット
AIは皆さんご存知ですよね? artificial intelligence……つまり人工知能の事です。
では、BIは何の略だと思いますか? タイトルに答えが書いてありますが、basic income……ベーシックインカムのことです。
ベーシックインカム(以下BI)という言葉を聞いたことがない、という方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。
BIとは、簡単に言えば、みんなに一律同じ金額を定期的に支給する国などの制度のことです。
今回は、そんなある意味夢のような、もしくはそんなことして大丈夫なのかと不安になるような、BIについてお話していきます。
そもそもBIとは
そもそもBIとはどんなものなのか……詳しい特徴は以下の4点になります。
1.無条件給付である(受給のための条件がない)
2.全国民に一律に給付される
3.最低限度の生活を営むに足る額の現金給付である
4.受給期間に制限がなく永続的である
例えば現在日本にある制度と比較すると、生活保護の生活扶助は「3」は満たしますが他は満たしません。条件に合う人のみが、その条件によった金額を支給されます。
また、年金等も、全員がもらえるわけではありませんし、もちろん年齢などの条件もあります。
こういったようにもちろん日本では行われていない制度ですが、世界的には試験的にやられたり、国民投票によって否決に終わったものの導入されそうになったりと、決して絵空事ではない制度になります。
BIの5つのメリット
BIとは一見「働きたくない人は働かなくてもいいの?」と夢のような制度ですが、もちろん本当にこんな制度がなりたつのかという疑念も残ります。
まずはBIの良い側面から……5つのメリットをあげます。
1.シンプルである
2.運用コストが小さい
3.恣意性と裁量が入らない
4.働くインセンティブがなくならない
5.個人の尊厳を傷つけない
1.シンプルである
とにかくシンプルな制度なので、誰でも理解することができるのは大きなメリットです。例えば税金についてなど、誰も理解していないのではと思うくらい複雑なものになっています。シンプルがゆえに、以下のようなメリットもあります。
2.運用コストが小さい
例えば、生活保護などでは、条件を満たすかどうかなどの判定員が必要になりますが、BIは無条件で支給されるので、人件費がほとんどかかりません。シンプルゆえに、税の申告をする際のような仲介業者や税理士もいりませんし、行政のコールセンターなどもほとんどいらないでしょう。
3.恣意性と裁量が入らない
現在の生活保護制度などは、ルールが厳格に決まっているとはいえ、判断するのは人間です。本来の生活保護の基準からすると、受けるべき人のうち20%ほどしか生活保護をうけていない現状などもあわせて考えると、人の判断が入らないことは大きなメリットです。
4.働くインセンティブが失われない
生活保護や失業保険など、働くと支給されなくなるものは、働くインセンティブ……つまりやる気を奪います。一方BIは金持ちだろうと、誰だろうと、無条件で支給されるので、純粋に働いた分に上乗せしてお金が手元にくることになります。
5.個人の尊厳を傷つけない
先ほど、生活保護は本来受けるべき人のうち20%ほどしかうけていないという話をしましたが、その大きな原因はこの「尊厳」にあると思います。生活保護を受けているだけで肩身の狭い思いをしたり、プライドが傷つけられたりします。一方BIは誰もが受け取るものなので、そういった心配はありません。
BIは実現可能なのか
以上のように、メリットは多くあるものの、障害もたくさんあります。そもそもどこからそんなお金がくるのかとか、誰も働かなくなったらどうするのかとか。
詳しい話は参考文献をぜひ読んでほしいのですが、その問題を解決する糸口は「AI」にあります。
例えば、機械の導入によって「肉体労働」は大幅に減りましたが、AIの導入によりこれから「知的労働」も大幅に減ると言われています。
それほどにAIが発達すれば、経済はAIによって支えられ、そこまで多くの人間が多くの時間を費やして働かなくともよくなるようになっていきます。
また、あくまでも「必要最低限」のお金しか支給されないわけですから、もっと多く稼ぎたいと思う人も大勢いるでしょう。
このように、機械には難しい仕事を少数の人間が行い、その他の多くのことをAIが行う時代がくれば、BIによる働き手や経済の問題はおおむね改善できるでしょう(簡単に説明しているので、多少説明を省いていますが)。
また、資金の問題も、現在の様々な制度を廃止し(年金や生活保護など)、国民負担率を他の先進国と同等レベルまで引き上げれば、解決されると言われています。
そういったことから「実現は可能」とみられていますが、おそらく反発は大きいことでしょう。
結局は「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」という話になるのでしょうね……
参考文献:AIとBIはいかに人間を変えるのか(波頭 亮)
ps
私はBI賛成で、おそらくBIが始まって安定してきたら、労働はやめます。
仕事と活動はすると思いますが。