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集落暮らしにおける、歳下のリーダーシップ

小さな集落に暮らしていると、リーダーシップって大事だなぁと思うことが多々あります。というのも、暮らしにおけるあらゆることが自分(たち)ごとであるため、主体的に動くことが必須なのです。

例えば雨が降って倒木があり、道を塞いでしまっている。そこを通るためには木をどうにかするしかない。役場に連絡したところで、解決するには1時間以上は余裕でかかる。となると、その場に出会した人が主体的に動くしかない。さらには集落内の主要な道路は限られているので、しばらく止まっていたら大体他の車がやってくる。ので、その人と一緒に「この木、どうしましょうか」となる。となれば、その中の誰かがリーダーシップを発揮しなければ、道はずっと通れないまま。

これは水路の写真ですが、こんな倒木があってもおかしくない。

田舎には木を切れる人はたくさんいるので、実際はそんなに倒木で困ることは少ないのですが。例に挙げたようにささやかな困り事でも自分たちで解決しなければいけない(その方が早い)というのは確かなことで。消防団の活動なんてまさに。その場にいる誰かがリーダーになって動かなければ、問題は進んでしまう一方。そんな環境とも言えます。

そんな環境で10年近く過ごしてきたわたしも、気づけば31歳。社会的には中堅な年齢ですが、140人ほどの集落の中では、こどもを除けば下から3番目くらいなもので。会う人はほぼ全員歳上。それでも一番動ける年代なので、役職は任せてもらえる。だから歳下だけどもリーダーシップを発揮しなくちゃならない。そんな場面によく出会します。
すっかり前置きが長くなってしまいましたが、そんな場面でふと思った、歳下のリーダーが気をつけるべきことについて。

(移住の経緯や、大雑把な暮らしぶりについてはこちらをご覧ください)

遠慮せず、自分がなにをすべきか把握する。

歳下だからと、自分がなんでもしようと動いてしまうと、その場はうまく回りません。その場しのぎでは有効な場合もありますが、継続的に何かをするための組織の場合は、リーダーが動きすぎると他のメンバーが戸惑ってしまう。特にチームワークができていない場合には。

なので最初の頃こそ、歳下だからと遠慮することなく、全体を俯瞰して、自分がすべきことを把握することが大切で。自分の立場でしかできないことは何か。その優先順位は。そもそもゴールは見えているのか。どんな結果を出さなくてはいけないのか。まずはきちんと把握した上で動くことが大切です。

とはいえ関係性は大切。態度には気を遣いすぎるつもりでいい。

頭の中で状況の整理ができたら、次は行動に移していく必要があります。ここで年齢が枷になることが、あるとかないとか。小さな集落の場合、即戦力になる若手ほど頼もしいものはないので、多少傲慢であっても受け入れられることはあります。が、長期の目線で見ると、やはり関係性は大切にしたいもの。

ただ、態度を気にするあまり無駄にすり減ってしまっては元も子もないので、わたしがやってみている中で、これいいかもと思っているやり方について。
それはとにかく「やわらかく」いることです。誰かになにかを頼むときも、無理に謙るのではなく、やわらかく。それは声のトーンだったり、目線だったり口元だったり。なるべく全身で、雰囲気ごとやわらかくいること。そうすると、相手にも自分にも、優しい空気が伝わるので、物事がすんなりと進むことが多いです。

態度について難しく考えるのではなく、「やわらかく」いようと意識すること。これだけでOKです(いまのところ)。

できる人にどんどん頼む。ただし。

田舎は特に、なんでもできるおじいちゃんおばあちゃんがザラにいるので、得意なことがある人には、どんどんお願いしましょう。きっとサクサク進めてくれます。ちょっと嬉しそうに。

ただ、ここにもちょっとしたコツみたいなものがあって。
それは、体力が必要な泥臭い作業は、率先して動くということ。
「さすが、若いもんは違うなぁ」と言われたらこっちのもんです。

ちょっと補足すると、リーダー=指示役に徹するでは決してないということです。特に人数の少ない集落では、いかに全員が効率よく動けるかで、物事の成果が全く違います。であれば、歳下の特権とも言える体力を存分に活かし、その場の士気を高めましょう。若手が元気に動いているだけで、その場が明るくなるものです。

適材適所の役割分担には、事前の交流や知識が必要ですが、それはそれでやっておいて。人に頼める作業はどんどん頼む。体力や力が必要な場面では、率先して動く。そうすればきっと、歳下でも認めてもらいながら物事が進みます。

お礼、感謝は忘れずに。

結局最後は、これに尽きると思います。
感謝されたら誰だって嬉しいもの。自分が尊重されている組織で働き、暮らしたいものです。
リーダーたるもの、お礼と感謝は忘れず伝えていきたいものです。

ちなみに、この時に必要な作法を知って実践できていれば、「若いのにしっかりしとるなぁ」と言われます。そうすれば信頼も倍増。これは決してテクニックなんて小手先のものではなく、生き様として実践し続けることが重要だと考えています。

さいごに

今回は、わたしの暮らすような集落での場面を想像して書きましたが、都会でもきっと同様に使えることはあるはずで。さらにはリーダーシップは、仕事の場面でのみ必要なものではないはずで。友だちとの遊びの場面。恋人とのデート。家族でのひととき。子育て。いろんな場面で、自分なりのリーダーシップが発揮できれば、豊かな時間が増えていくと思います。

そんな時間の参考になることがあれば、この上なく嬉しく思います。


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三宅こーた
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