台風が来る前にできること
台風、来てますね。
僕の住む地域に台風が上陸しそうなのはもう少し先ですが、昨晩は1ヶ月分の雨がまとめて降ったような降水量に。8月はほとんど雨が降らなかったので、恵みの雨といえば恵の雨なのですが、暴力的な恵みでした。ちなみに地滑りが少なくとも2か所。山の中までは見れていないのでどうなっているやら。本当に年々、気候が変わっていっているのを実感します。
そんな今回のテーマは「台風が来る前にできること」
アウトドアと山暮らしの経験から、少しでも安全に台風をやり過ごすためにできることを紹介したいと思います。
見たいところから見てもらってもOKです。
優先度別にも分けていますので、台風の接近状況に合わせて見るのもおすすめです。(まだ1週間は余裕があるなら①から、明日にも迫っているという場合には③か④からご覧ください)
①自分の生活圏で、どんな被害が出そうか調べる/想像する
備えるためには、まずは知ることから。
そもそも、台風が来たときに何が起こるか理解できていますか?ということです。
自分が海沿いに住んでいるのか、街中なのか、山間部なのか。近くに川があるのか、森があるのか、用水路があるのか。まずは自分が住んでいる周りの特徴を把握します。そして次に、それらの特徴に、台風が接近した時にどういう変化が起こるのかを知ることが大切です。(台風を分解すると、大雨と暴風。それぞれ分けて考えるとイメージしやすいかと思います)
自分の住む地域の危険について、日本で一番調べやすく信憑性が高いのが、自治体の発行するハザードマップでしょう。「⚪︎⚪︎市 ハザードマップ」などで調べると出てくると思います。
またこちらの「重ねるハザードマップ」で検索すると、一度にいろんな災害の危険性を可視化できるので便利です。
注意点としては、ハザードマップにも種類があるということです。
洪水、土砂崩れ、高潮、津波、火山など、さまざまな災害をシュミレートして作られているので、見るものを間違えてしまっては正しく備えることはできません。
今回は台風についてですので、洪水や土砂崩れ、高潮などを中心に調べるのが優先です。
ハザードマップを調べてみて、自分の家やその周辺が直接被害を受けそうであれば、台風の進行状況によっては避難することも視野に入れて備えることが必要になってきます。また、普段買い物に行くスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの立地とそこまでの経路もついでに確認しておくと、もしも自分の家が孤立して取り残されてしまった場合の想定もできるので良いでしょう。
もうひとつ大切なのが避難場所の確認です。
自分の家の周りにどんな危険があるのかを確認できたら、そこから避難するための場所も確認しておきましょう。公に設定されている避難場所はもちろん、その道中にある高台やひらけた場所も把握しておけば、緊急の場合にも対応できる可能性が上がります。
ただし、経路までを調べていたら、結果として自分の家にいた方が安全だという場合もあるかと思います。そういった場合には自宅での避難をするために何が必要かを考えていきましょう。
②足りないものがあれば備える
水、食料、生活用品など、備えた方がいいと言われている物は多くあります。しかし、普段の生活との兼ね合いもあるので、全てを万全に備えるというのも難しいところ。
そこでひとつ基準となるのがサバイバルにおける3の法則
何か救助が必要になった場合に、最低3日は生き残ることが重要という考えに基づく法則です。
この法則によると
体温の保持ができない状況では3時間
水の補給ができない状況では3日間
食料の補給ができない状況では3週間
で人間は命の危険に晒されてしまいます。
では、もし明日台風が直撃したとして、電気・水道・ガスなどのライフラインが止まってしまい、復旧に1週間近くかかるという場合、あなたはどれだけストレスなく生きていくことができますか?
現状の備えで足りているのか、余っているのか。
足りないとしたら何がどれだけ足りないのか。
少し足を伸ばせば補えるものはあるか。
そもそも、この暮らしでいいのか。
災害に備えるという観点から暮らしを考えると、いろんな発見があっておもしろいものです。
もしこの記事を読んでいるあなたがいま、余裕がある状態でしたらぜひ一度時間を取って考えてみてください。
③優先度高:家の周辺に危険なものがないか確認、あれば対策をする
ここまでは台風が来るまで(強風域に入るまで)に少なくとも2〜3日は動ける場合には順を追って備えると良いと考えますが、もしもう台風が間近に迫っている場合はここから後の優先度の高い順に対応することをお勧めします。
さて、家の周りに危険なものがないか、という話です。
ここでいう危険なものとは簡単に「飛んでいきやすいもの」「倒れそうなもの」「割れそうなもの」の3つです。それぞれ説明します。
「飛んでいきやすいもの」
軽くて表面積の大きい物がこれにあたります。
ビニールシート、看板、夏の時期ならビニールプールもあるかもしれません。
これらが家の周りにないかをまずは確認。もしあれば、①移動させられるものなら屋内に。②移動が難しいものならば、台風の風でも飛ばないものに固定しましょう。その際は荷締めロープがあればロープワークを知らなくても固定しやすいです。
「倒れそうなもの」
小さいものなら植木鉢や自転車など。大きいものだとバイクや木など。重量が大きくなればなるほど倒れたときの危険性も上がります。対策としては、こちらも移動させられる物は屋内に、固定できるものは固定が基本です。ただし大きいものになればなるほど難しいため、倒しておいていいものは先に倒しておくのも手だと思います。枯れた木などが近くにある場合はとにかく早めに倒しておいた方が安全です。(台風関係なく)
「割れやすいもの」
家の近辺では窓ガラスが主でしょうか。何が危険かというと、家の中で避難していた場合、万が一窓が割れてしまっては破片が散らばり、雨風が中に侵入し、その他にも飛んできたものまでも入ってきてしまうという可能性があります。
そうならないためには①雨戸やシャッターがあるならそれを閉める。なければ木材等でつくる②それも難しい場合はガムテープ等で補強する。といった対策があります。
詳しい方法については下記のページがわかりやすかったので、よければご参考ください。
KODAMAGLASS公式ブログより引用
以上のような、危険物が家の周りにないかどうか確認することも台風の対策としてできることです。また日頃から余分なものは家の周りにおいておかないことを心がけるのも大切ですね。
④優先度最高:避難開始は余裕を持って
ここからはさらに行動の優先度が上がります。
万が一、避難指示が出ている状況でこの投稿を読んでいる方がいる場合はいますぐ深呼吸をして、家族を集めて避難の準備を始めてください。noteは閉じて、スマホの電源は節約しましょう。
さて避難指示、もしくは避難勧告ということばを聞いた事があるかと思います。
避難指示とは、市町村単位で発令されるもので、その地域に災害のおそれがある、可能性が高い場合に市町村長によって発令されるものです。(現在は避難勧告という表現は使われなくなり、全て避難指示に一本化されています)
簡単にいうと
“災害に注意してください”という警戒レベル1及び2。
“避難が困難な方から避難してください”という警戒レベル3
“災害の可能性が高いので全員避難してください”という警戒レベル4
“災害が発生しているので安全を確保してください”という警戒レベル5
という5段階に分かれています。
さて、あなたならどの段階で避難を始めますか?
(ちなみに、どこにどうやって避難しますか?)
ここは意見が分かれても当然。議論があって良い内容だと思います。
ただ注意すべきは「避難が困難な方から避難してください」というレベル3の避難指示。
避難が困難なのにどうやって避難するのか?誰が避難をサポートするのか?避難した後はサポートの必要がないのか?…などなど、少し想像しただけでも、レベル3のハードルが急に上がっていることがわかります。
またレベル3は同時に避難準備の開始も含まれているのですが、指示というには曖昧な内容です。いきなり準備をしろと言われてどれだけのことができますか?
誰が誰を、どうサポートして避難するかは事前によく相談しておくことが重要ですが、緊急時に想定通りに事が進む方が珍しいです。であれば、何かと動きやすい人ほど余裕を持って避難を進めておけば、その先でも活躍の場がありそうです。
それに早めに避難したけど、心配するようなことは何もなかった、でもいいじゃないですか。それはそれで安心安全、災害の危険がある時にも心の平穏を保てたという意味ではとても尊いことです。
優先度最高と言っておきながら矛盾するようですが、ここで伝えたいことは「避難の準備は普段から、避難開始は余裕をもって」ということ。「避難して!」と言われて咄嗟にする避難では、安全な避難にはならないからです。
ちなみにペットを飼って暮らしている方は、基本的には避難の際はペットも同行することを政府は推奨しています。避難が必要なときはきっと、動物たちにもストレスがかかっているはずです。
そんな動物たちも含め、家族とのコミュニケーション、お隣さんとのコミュニケーションを普段から取っておくことも重要な備えです。
いまできることから始めて、避難が必要な際には命を守ることを優先して行動していきましょう。
まとめ
さて、今回は台風が来る前にできることについて、ざっくりと簡単に書いてみました。書けば書くほど、直前になってできることって少ないなーと実感します。防災に限らず、おそらくどんなことでもそうですが。
ですので、もしもいま台風が迫ってきているのであれば、台風が来るまでにできる最大限の努力を。もしも余裕がある状態でこのnoteを読んでいただいているのであれば、自分に起こりうる災害の洗い出しとその対策をしていただければ幸いです。
最後に、今回迫ってきている台風10号、大きな被害が出ることなく過ぎ去ってくれることを祈っています。
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