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縞枯山と縞枯山荘

 登りたいからその山を選ぶのではなく、泊まりたい山小屋があるからその山を選んだのは、思い起こせば北八ヶ岳の縞枯山が最初だったかもしれません。そして、泊まりたかった山小屋が、縞枯山荘です。

 北八ヶ岳とは、一般的に大河原峠から双子山、北横岳、縞枯山、茶臼山、麦草峠、天狗岳を経て夏沢峠までをいいます。通年運行している北八ヶ岳ロープウェイ(旧ピラタスロープウェイ)は標高2230mまでアプローチしており、北八ヶ岳北部登山の起点となっています。このロープウェイを使うと、縞枯山荘は間近です。

 北八ヶ岳ロープウェイでロープウェイ山頂駅へ。そこから北横岳(2472m)に登りました。北横岳山頂への登山道途中には北横岳ヒュッテがあります。こちらも宿泊可能な山小屋。

北横岳側より望む坪庭

そこから登山道を戻るようにして、溶岩地帯の坪庭を進み、八丁平に向かって平坦な山道を歩きます。

 すると、八丁平の草原の向こうに青い屋根の山小屋が見えてきます。それが縞枯山荘です。

 縞枯山荘の大きな特徴はその大きな三角屋根。内部は4階。三角屋根の壁面に煙突を這わせた外観は、ヨーロッパの三角屋根を思わせますが、ヨーロッパでは地階から複数階を覆う大屋根はあまり見られないため、日本の合掌造り民家に近い佇まいを見せているといえます。

縞枯山荘の外にある小さな祠と縞枯地蔵。縞枯山荘と同じ、トタンの三角屋根がかけられています。

 入り口から一階の中に入ると、ストーブがあり、体も心も温まります。この時は8月ですが、夜になると冷え込むので、ストーブには薪がくべられていました。
 縞枯山荘には食堂、談話室、本棚があり、思い思いにくつろぐことができ、とても居心地が良いです。2階より上は宿泊室。これらは日本の山小屋を特徴づける代表的な要素です。

 夕食時の写真はあるのですが、なんと、夕食そのものの写真を撮り忘れていました(涙)。夕食は魚をメインに、丁寧に作られた野菜料理が添えられて、味付けがよく美味しかったです。ご飯と味噌汁はおかわりできました。


翌朝、朝靄の中
縞枯山荘の朝食

朝食も鮭と卵焼き、きんぴらなど手作りの温かい朝食。ご飯と味噌汁も美味しく、山歩きに向けて塩分もしっかり補給できます。

 体を温めてくれたストーブから煙突を伝って煙が上がっていました。山小屋の温もりとも、これでお別れ。

 いよいよ縞枯山荘をたちます。縞枯山荘の名の通り、八丁平から雨池峠を経て、縞枯山に登ります。 その名の通り縞枯現象が現れた山容が特徴的で、標高2402mの山です。

縞枯山頂から見上げる青空

晴天にめぐまれたものの、縞枯山頂は展望がありません。近くにある展望台に向かってもう少し歩いてきます。

縞枯山展望台

展望台は、大きな岩がゴロゴロとしていてアスレチックの要素があり、子どもには楽しいです。岩の上に登ると四方の眺めがよく、北は原生林と北横岳・蓼科山方面、南はたおやかな山容の茶臼山とその先の南八ヶ岳の山並みが望めました。

縞枯山展望台より望む茶臼山

ここからの縦走路は南の茶臼山へと続き、大石峠、そして麦草峠に至る縦走を楽しむことができますが、縞枯山を降ると、私たちは茶臼山には登らず、五辻を経由して、北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅までの山歩きを楽しみました。

ロープウェイ山頂に着き、「山のカフェ2237」で休憩。ホットコーヒーやこけももジュースが定番メニュー。体に染みて美味しかったです。

この記事の画像は、縞枯山荘に泊まった2015年8月のものです。もう9年も前ですね。縞枯山荘の最新情報は、公式ホームページへ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Canon EOS6D EF24-105mm F4L IS II USM

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