SNS上のコロナに関する情報がどれだけ嘘かというお話
近頃SNSを見ていると、「コロナワクチンは危険だ!」とか、「コロナは人口削減のための人工的なウィルスだ!」などの情報が散乱していて、もうようわからんことになっていますね。
今回はSNS上の情報に関する論文を紹介しようと思います。
まず、この論文の目的の一つはコロナワクチンに関する噂(rumor)や陰謀論(conspiracy theories)を検討することです。
その方法は、2019年の12月から2020年の11月までに、Google、Google Fact Check、Facebook、YouTube、Twitterなどのオンライン上でのコロナワクチンに関する情報をとことん集めるというものです。
そんで集めた情報をまず2つにわけたようです。第一に噂というカテゴリー、第二に陰謀論というカテゴリーです。
噂とは何かというと、以下のように定義されています。噂とは、その情報が真、偽、ミスリーディング、そして脚色されているという4つの分類のいずれかに属するかが未確定なものである、と。どのようにこの4つに分類するのかというと、この研究チームは新聞や記事、オンライン上の報告書を定性的に調査し、情報を比較することで分類していきました。
陰謀論とは、何らかの悪意のある目標を達成するために個人あるいは集団により主張されたものと定義されています。この陰謀論も同様に、4つに分類されます。
結果としては、コロナワクチンに関する情報を637見つけたらしいです。その内の91%が噂に分類され、残りの9%が陰謀論に分類されました。
637の内5%が真、83%が偽、10%がミスリーディング、そして2%が脚色されたものでした。つまり、正しい情報だと言い切れるものは5%しかなかったんですね。
ここでの情報は52カ国におけるものだったんですが、残念ながら日本は含まれていません。
色々考えたのですが、SNS上でコロナワクチンを調べているのは、おそらく90%の人だと思います。多分みなさんも、普通にTwitterやFacebookで情報を調べていると思うんです。だって便利だから。しっかりとしたニュース記事や論文を読むよりも、SNSの投稿の方が読みやすいですよね。しかも、SNS上のコミュニティは自分と同じ価値観の人が多いから、安心感もある。
ただ、信じる前に疑ってほしいなとは思いますね。この論文にもあったんですけど、嘘の情報に騙される人が多いと、ワクチンに関する拒否感が強まって「おれワクチン打つのやめるわー」っていう人が増えるかもしれません。そうなるといつまでたってもコロナは終息しません。
論文です<https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0251605#sec013>