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なぜコーヒーを飲んでから昼寝するとパフォーマンスが上がるのか

あなたは「カフェインナップ」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、コーヒーを飲んでから短時間の仮眠を取るという、一見矛盾しているように思える方法です。
しかし、この組み合わせが実は驚くほど効果的であることが、科学的な研究によって証明されています。

カフェインナップとは

コーヒーなどのカフェイン含有飲料を摂取した直後に、15〜20分程度の短時間仮眠を取る方法のことです。
この方法は、カフェインの効果が最大限に発揮される前に仮眠を取ることで、目覚めた時に覚醒度が高まり、集中力や認知機能が向上するという効果があります。

そもそもカフェインってなんなん?

カフェインナップの効果を理解するためには、まずカフェインの作用について知る必要があります。

アデノシン受容体のブロック
カフェインの主な作用は、脳内のアデノシン受容体をブロックすることです。アデノシンは、日中に徐々に蓄積され、眠気を引き起こす神経伝達物質です。カフェインはこのアデノシンの作用を阻害することで、覚醒状態を維持します。

効果の発現時間
カフェインを摂取してから効果が現れるまでには、通常20〜30分程度かかります。これは、カフェインが消化され、血流に乗って脳に到達するまでの時間です。

持続時間
カフェインの効果は個人差がありますが、一般的に4〜6時間程度持続します。ただし、半減期は約5時間であり、徐々に効果は減少していきます。

仮眠の効果

おそらくビジネスマンにとっては、昼休憩に仮眠することに「もったいない」と思う気持ちもあるかもしれません。
しかし仮眠の効果は明らかになっており、その効果を知れば「明日から仮眠してみるか」と思ってもらえると思います。

短時間の睡眠で本当に効果はあるのか?
15〜20分程度の短時間仮眠は、深い睡眠に入らずに覚醒することができるため、起床時の睡眠慣性(目覚めた直後の眠気や体のだるさ)を最小限に抑えることができます。

認知機能の回復
短時間の仮眠でも、脳の疲労回復や認知機能の向上に効果があることが研究で示されています。特に、注意力や反応速度、記憶力の改善に効果があります。

創造性の向上
仮眠は、創造的な問題解決能力を高める効果もあります。これは、睡眠中に脳が新しい神経接続を形成し、情報を再構成するためと考えられています。

カフェインナップの仕組み

では、なぜコーヒーを飲んでから仮眠を取ることが効果的なのでしょうか?

タイミング
カフェインナップの鍵は、カフェインが効き始める前に仮眠を取ることです。コーヒーを飲んでから約20分後にカフェインの効果が現れ始めるため、その間に短時間の仮眠を取ることで、目覚めたときにちょうどカフェインの効果が最大限に発揮されるのです。

相乗効果
仮眠による脳の疲労回復とカフェインによる覚醒効果が組み合わさることで、単にコーヒーを飲むだけ、または仮眠を取るだけよりも高い効果が得られます。

アデノシンの除去
仮眠中に脳内のアデノシンが一部除去されます。その後、カフェインの効果でさらにアデノシンの作用が抑制されるため、より強力な覚醒効果が得られます。

科学的な裏付け

カフェインナップの効果は、複数の科学的研究によって裏付けられています。

夜勤労働者の研究
2020年に行われたパイロット研究では、夜勤中の仮眠時にカフェインナップを取ることの効果が調査されました。参加者は午前3時30分に200mgのカフェインを摂取し、その直後に30分間の仮眠を取りました。その結果、プラセボと比較して、カフェインナップ後の45分間は注意力と主観的な疲労度が改善されました。

運転パフォーマンスの研究
別の研究では、長時間運転後のカフェインナップの効果が調査されました。200mgのカフェインを摂取して15分間の仮眠を取ったグループは、カフェインのみ、または仮眠のみのグループと比較して、運転シミュレーターでのパフォーマンスが著しく向上しました。

記憶力への影響
記憶力に関する研究では、カフェインナップが単純な記憶課題だけでなく、複雑な認知課題のパフォーマンスも向上させることが示されました。

実際にやってみてどうなのか?

論理は分かっても、実際にどう感じるのかを以下にまとめました。
(感情の話なので、あくまで私個人の意見)

脳がクリアになる

まるで脳にシーブリーズを塗ったかのように、スカッという感覚があります。

頭が軽くなる

脳内の雑念が消え、頭が軽くなった感覚があります。

寝ている時は頭に雑念が集まる感じがする

夢ではないのですが、寝る直前に考えていたことや周りの雑念が、脳にギュッと集約される感覚があります。そして起きたらパッと消える感覚もあります。

どのようにやれば良いのか?

コーヒーを飲むにしろどれくらい飲めば良いのか、仮眠するにしろどの体制で寝れば良いのかを紹介します。

コーヒーはスタバのショートくらいのサイズ

「カフェインは200mg程度」と言いましたが、厳密にグラム数は計らなくて良いと思っています。(てか再現がムズイ)
なのでスタバだとショートサイズくらい、コンビニだとSサイズくらいのホットコーヒーで良いです。

ホットコーヒーかアイスコーヒーか

短時間でも睡眠にはちょっとあったかいくらいが寝やすいと思います。なのでホットコーヒーがおすすめです。

寝る姿勢はデスクの上にうつ伏せで

ベッドやソファの上に仰向けで5回くらい仮眠してみたところ、全て寝過ぎました。それに加え、頭スッキリを超えて少し頭痛もしました。
なので私のオススメはデスクの上にうつ伏せです。
手の甲の骨が額に当たって痛かったり、起きた後手が痺れる時があります。そんな時は手と額の間にタオルやハンカチを置くと軽減されます。

注意点

カフェインナップは多くの人にとって効果的ですが、以下の点に注意が必要です。

個人差
当たり前ですが、カフェインへの感受性や仮眠の効果には個人差があります。自分に合った方法を見つけることが重要です。
特に心臓病や不整脈、高血圧、不安障害などの持病がある場合は、コーヒーは無しで仮眠したほうが良いです。仮眠の体勢も個人に合わせた体勢にしてください。

タイミング
これも当たり前ですが、夜遅くにカフェインを摂取すると、夜間の睡眠に影響を与える可能性があります。午後3時以降は避けるのが賢明です。

まとめ

カフェインナップは、コーヒーを飲んでから短時間の仮眠を取るという、一見矛盾した方法ですが、科学的な根拠に基づいた効果的な覚醒法です。カフェインの覚醒効果と仮眠による脳の回復効果が組み合わさることで、単独で行うよりも高いパフォーマンス向上が期待できます。

ただし、個人差や健康状態、生活リズムなどを考え、自分に合った方法で実践することが重要です。
「なんやねんそれ、そんなんめんど」って思った人もいると思いますが、実践してみると「飛んだ」「整った」に近い感覚を味わえると思うのでぜひ一度実践してみてください。

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