見出し画像

新型コロナ後遺症、これだけは知っておきたいこと

新型コロナウイルス感染症の治癒後に様々な症状が残ることはご存知だと思います。

主な症状は強い倦怠感、呼吸困難、うつや集中力・記憶力の低下、 嗅覚・味覚の低下や変化、脱毛などです。

テレビやネットのニュースで毎日のように報道されていることから、深刻さが分かると思います。たとえば昨日は埼玉県がコロナ後遺症の対応を強化するために、8つの医療機関に「後遺症外来」を設置するというニュースがありました。

今日は後遺症を減らす工夫や、逆に知らないと悪化させてしまうNG対応を紹介します。

今日の記事は4~5分くらいで読めます。

後遺症の原因

原因は今のところ不明です。新型コロナウイルス感染症の症状は激しく、1週間くらい動けず食事も摂れないことが多いので、治ったあとに倦怠感が残っても不思議ではない、と思うかもしれません。

また、コロナウイルスによる肺炎は肺の間質という部分に炎症が強く、治癒後に肺の線維化が残ることが知られています(壁が厚く硬くなって酸素が通過しにくくなった状態で、ほぼ生涯にわたって残ると言われています)。息切れがあっても当然と考えがちです。

しかし、後遺症は今のところ、コロナの症状の重症度に比例しているわけではなさそうなのです。また、直後にはあまり問題がなく、1〜2ヶ月してからひどくなることも多いようです。従って、原因は単に体力の低下や肺の線維化だけだとも言い切れません。

あまりに多彩な、説明の難しい症状が起こるので、脳の炎症ではないかという説もあります。

後遺症の頻度

コロナウイルス感染症の患者さんのどれくらいに後遺症が起こりどれくらい続くのか。調査によって非常にばらつきがありますが、WHOがまとめた、10人にひとりが12週間以上続くコロナ後遺症になる、という数字がひとつの目安になると思います。

一言で後遺症といっても症状の強さはピンからキリまであるので、どこまでを後遺症と呼ぶかで頻度や長さの報告にばらつきが出てくるのではないかと考えます。生活に支障があるかどうか、が後遺症のひとつの目安になるのではないかと思います。

ワクチンは後遺症に効くのか

コロナの後遺症にならない一番の方法は、当たり前ですが罹患しないことです。つまり従来からの感染予防対策が有効なのは間違いありません。

ワクチンも、感染予防ということでは間違いなく効果はありますが、一度ブレークスルー感染を起こしてしまうと、後遺症になる可能性は十分あります。ある調査では、28日以上続く後遺症を半分に減らせたようですが、満足な成果とは言えないないかもですね。

また、一度後遺症になってしまったワクチン未接種の患者さんがワクチンを打つことで、3〜5割の後遺症が改善するという報告もあります。ただ、なぜワクチンが効くのかは全く分からず、プラセボかもしれません。

特に注意は倦怠感(だるさ)

数ある症状の中で要注意は倦怠感(だるさ)です。なぜ注意かというと、悪化すると身動きが出来ないくらいまでになることがあるからです。

倦怠感は、ちょっとした運動や心理的ストレスの数時間後〜翌日のひどい疲労、というかたちで出て来るのが特徴的(PEM;ピーイーエムという)で、ここで無理をすると『筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)』という状態に移行する可能性が高まるといいます。このため、無計画に運動することは危険とされます。

ME/CFSは、今回の新型コロナウイルスの前の、SARSの時に多く報告があったようですが、ひどい疲労で指を動かすのも大変、という人までいて、かつ非常に難治であるとされています。

ME/CFSは、記事の最後にリンクを貼りますが、平畑先生の書かれた『 コロナ後遺症完全対策マニュアル』に詳しいです。

鼻うがいがコロナ後遺症に有効?

これは不思議に思いますが、鼻うがいをすると後遺症が軽くなることがあるのです。コロナウイルス感染の予防や重症化を減らすなどであれば何となく理解出来るのですが、なぜ後遺症を減らすのか…。

これも詳細は『 コロナ後遺症完全対策マニュアル』に譲りますが、後遺症では上咽頭という部位に炎症が起こっていることがあり、この部分は多くの神経が通る場所だから、と考えられているようです。

鼻うがいは市販のキットで1日2~3回行うことが勧められます。個人的にはハナノアがお勧めです。

洗浄器具を持っている人はこちら

話が逸れますが鼻うがいは重症化予防に効果があるという研究報告もあります。なんと入院を1/8にするとのこと!

強固なエビデンスとは言えませんが、やり過ぎなければまず害はないですし、ワクチンが出来ない方、間に合わない方は個人的にはイベルメクチンよりこちらを試してみてはどうかと思います。

栄養を補う

『 コロナ後遺症完全対策マニュアル』で、亜鉛やフェリチンを測定し、足りなければ鉄や亜鉛を補う方法、PEMと呼ばれる強い倦怠感には分岐鎖アミノ酸(BCAA)を補充することなどを勧めてありました。

先程も書きましたが、コロナウイルス感染症では1週間くらい食事が摂れない人も少なくないです。また感染症の影響でも栄養素を消費するのではないかと思っています。

ここも十分なエビデンスはありませんが、鼻うがい同様害のある手段ではなく、原因不明の症状で苦しんでいる方は是非試されてはどうかと考えています。

『 コロナ後遺症完全対策マニュアル』

記事の中で何度も紹介させて頂いたヒラハタクリニック、平畑先生の著書です。今現在最も頼りになるコロナ後遺症の本だと思います。これからほぼ確実に後遺症の患者さんが増えると思いますので、是非多くの方に正確な知識を持って頂きたいです。

ヒラハタクリニックのクリニックのコロナ後遺症のページ。

まとめ

よく分からなかったコロナ後遺症について少しずつ情報が揃って来ています。特にPEMの知識は後遺症を悪化させないために必須と考えます。もしもの時に、自分や周りの方を助ける知識ですので知っていただきたく今日の記事を書きました。

最後までお読み頂き、有難うございました。よろしければフォロー、マガジン登録などして下さい!結構役に立つ記事が多いと思います。

この記事を含む無料マガジンです!

関連記事です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?