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古書のこしょこしょ話⑦ 〜自己意識〜

 大学生活が始まって4ヶ月。一年の前期が終わり、とりあえず単位を落とすことだけは避けられたかなと一安心しているところだ▶︎放送業界での仕事を生業とするために、学び舎として江古田を選んでから半年が経とうとしている。芸術学部ということもあり、想像していた以上に創作活動も多い。そのなかで、創作活動に明け暮れる僕を嫌っている僕がいる▶︎その昔、芸術家とりわけ画家が画家として生計を立てるにはパトロンの存在が欠かせなかった。パトロンは芸術家の創作を金銭的にもまた精神的にも支援する。依頼があり、自分の作品を評価する人がいることはどれほど幸せなことか▶︎創作は一人ではできない。金銭こそ工面できるであろうが、他者からの評価なしに創作を継続することは難しい。すると、多くの人は自分を認めてくれるパートナーをつくるか、狭いコミュニティで互いの傷を舐め合う。その流れを嫌悪している僕もそうなりつつある▶︎執筆中に思い出した文章がある。「(前略)動きのあるものにはなんでもエロティシズムを感じるのです。(中略)形が定まってしまうともうダメ。(中略)動きの色っぽさを追求するためにアニメを始めたともいえます。それでぼくは一種のオナニーをしているのかもしれません。」この言葉は手塚治虫さんの『ガラスの地球を救え:21世紀の君たちへ』という本のなかにある。これから、創作をしていく自分のあるべき姿はここにあるのではと思えてならない。

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