[研究論文]アラスカ、生命の熱と精神――食をめぐるクリス・マッカンドレスの探究と夜明け
多摩美術大学研究紀要第31号(2016年)掲載の(査読あり)研究論文が機関リポジトリで公開されました。「アラスカ、生命の熱と精神~食をめぐるクリス・マッカンドレスの探究と夜明け」というタイトルです。PDFでダウンロードできます。
映画Into the Wildとその原作ノンフィクションで知られるアメリカ青年クリス・マッカンドレス。「アレックス」の名で北米大陸の西部を放浪、アラスカ内陸部で狩猟採集による単独自給生活を行い、100日を超える生存に成功した彼は、そこで何を見つけたのでしょうか。ジョン・クラカワーのノンフィクションもショーン・ペンの映画も、若者の旅の〈終わり〉を重視するあまり、それを〈到達点〉と同一視してしまっているように感じられます。
論文では、アレックス/クリスがアラスカで読んでいたとされるトルストイの『家庭の幸福』、『クロイツェル・ソナタ』、『イワン・イリイチの死』、パステルナークの『ドクトル・ジバゴ』、ソローの『ウォールデン』といった文学作品の文脈を押さえた上で、彼の精神の旅を追っています。彼が掴んだもの、その価値とは。読んで頂けると嬉しいです。