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読書メモを皆さんに紹介します。part2

皆さん。こんにちは。
世良滉介です。
学生生活も残りわずかとなり、あれもしなきゃ、これもしなきゃと忙しなく予定を手帳にギュウギュウに詰め込んでしまいます。
そんな事が嬉しく思うのも今だけかもしれません。
ただ、そんな中でも、本と過ごす時間はゆっくりと過ぎてくれて心の癒しになります。
皆さんにも本と過ごす時間があると思います。
その時間の手助けができれば幸いです。

今回も前回に引き続き読書メモを公開していきたいと思います。
読書メモについてはこちらから。

では、今回も始めていきましょう。

1.「あなたの愛人の名前は」 著 島本理生 p.133 L.11

まずはこちらの作品から。


「もしかしたら彼氏との付き合いが長過ぎて半分くらいは惰性になってる状態なのかもしれないなと思いついた。だから優しさがあっても使いどころがない分をこっちに回してもらってるのかもしれない。そんなふうに考えたら、相手の男から大事なものを借りている気分になった。

「ファーストラブ」で直木賞を受賞した島本理生さんの作品で、全6篇の短編作品集で構成されています。
各作品ごとに、恋人でも配偶者でもない「愛人」という決して光を浴びない関係の中にある輝きとその柔らかな絶望が描かれています。

この世の中、どんなに祝福された芸能人夫婦だろうが、仲のいい友人同士の恋人でも一度の過ちを理由にそれまでも幸せを否定するかのように別れていきます。
「気を使わない関係がいい。」「見た目より中身でしょ」とは言いつつもそれが所以で生まれる惰性がきっかけで不倫や浮気に発展してしまう。
ただ、優しさを分けているだけなのに。
一方的に浮気した相手を責めれない心情の本質はここにあるかもしれません。
そして、もう一方はその相手の心情が理解できればできるほどに、自分に向けられるべきではない優しさに気づき、罪悪感を抱いてしまうのです。
自分に大事な人がいる人ほどに。

気になった方はこちらから。


2.「檸檬」 著 梶井基次郎 p.16 L1

 次はこちらの作品から。

「ほんの些細なことが、その日の幸福を左右する。」

まさにその通り。
朝の目覚め具合。
化粧のノリがいいか。
給食に好きなおかずが。
下校時間に好きな子とタイミングが同じだった。

こんな小さなことで一日は幸せに感じて。

寝坊した。
自分のプレーが上手くいかない。
好きな子から返信がこない。

これだけで、自分は不幸で周りに取り残された人間だと勘違いしてしまう。

この「檸檬」という作品は、日常や瞬間を俯瞰的に見て気付かされることがたくさん詰まった作品だと僕は思います。
純文学で抵抗もある方もいるかもしれませんが、比較的読みやすい作品なので、是非読んでみてください。

気になった方はこちら。


3.「百花」 著 川村元気 p.262 L.9

最後はこちらから。

「でも赤ちゃんにミルクあげてる時ね、とてもいい顔してた。真希なんだか大人になったって思った。その時に気づいたんだよね。失っていくことが大人になるということかもしれない。」

これだけでは、まだ伝わりづらいのでこちらの文も。

「この間、赤ちゃん産んだばかりの真希に話を聞きに行ったの。実際に子どもが生まれたらあまりに愛おしくて辛いことが全部吹き飛んじゃう、みたいな話を聞きたかったわけ。そしたら彼女も失うものだけだらけだって言ったの。時間もお金も、体力も知恵も全部子どもに取られちゃうって。」

こちらも前回「四月になれば彼女は」の著者であり、「億男」などの大ヒットを続出させる川村元気さんの最新作。

二人で生きていた母が認知症になり、今までの母とは別人に。
自分の家庭や仕事などの生活がある中で、介護をする日々。
息子を忘れていく母、母との思い出を蘇らせる息子。
最後に残るのは何か。

家庭を持つ。子供が生まれる。
とても喜ばしいことであり、幸せなことかもしれません。
ですが、それを支えているのは、親としての責任感。そして現実的な代償。
決して誰もがすぐに犠牲にできるものではありません。

僕自身に当てはめれば、今、学生だからこそある自由。部活の仲間。ありふれた時間。失いたくないものがたくさんある。
だが時間は止まらず、新しい環境へと僕らは進んでいかなければならない。
分かっていても、悲しく寂しく辛い。

でも、この文に出会って気づきました。

これから先、生きていけば失うことの方が多いでしょう。
僕がひとつ歳を重ねれば、周囲もひとつ歳を重ねる。
若さ、美貌、家族、友人。
失うものは、僕の中で確かに大きいものです。

でも、それが僕の手から離れていくことで自分を大人にさせてくれることにつながると信じるからこそ、僕はこれから先の世界にまた一歩と歩いていけるのだと。

そして、思うんです。決して失うだけだけではない未来だと。
ポケットもいっぱいになれば取り出して、また新しいものを入れる。
僕らの人生も同じで、何か失った数、また一つ新しい何かを手に入れることができるんです。

そして最後に、僕らは全て失うわけではない。
たくさんの経験や思い出、人とのつながり。目には映らないものが僕らには必ず残っているはずです。

気になった方はこちら。


4.最後に

第二弾はいかがだったでしょうか。
本のジャンルはほとんどその時の気分ですので、勝手に好みが出てしまってるかもしれません。このジャンルがいいなど希望があれば教えてください。
まだまだ足らないところばかりですが、少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。
他にも僕自身にも興味を持っていただけるようにこれから活動頑張っていきたいと思います。

こちらで、小説投稿しているのでよかったら覗いてみてください。

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ではまた次回に!