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2020年、正社員のあなたが隣の派遣さんに収入を越される?【同一労働同一賃金】
以前僕はこんなタイトルの記事を書きました▼
2019年8月に僕は正社員について「神待遇」と説明しましたが、「そーいえば前は正社員の方が待遇よかったね〜」なんて会話をしている時代がすぐ近くにあるかもしれません。
以前自分は求人関係の仕事をしていたのですが、その時の経験や知識も踏まえて「同一労働同一賃金」はサラリーマンは本当に理解しておいた方がいい制度であると感じてます。制度の中身というより、それが浸透することでどんな社会になるかを把握しておくべきです。超端的に説明していくので一度さらっと見てみて下さい。もし詳しく知りたくなった方はいろんなところで説明されているので色々調べてみて下さい。あなたの将来がかかっている話です。
「同一労働同一賃金」がヤバイ理由
厚生労働省は以下のように説明しています。
同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。
こちらがそのページです。
難しい話は置いておいて、これを一言で表すなら「年次や経験や雇用形態に関係なくやっている仕事に応じて給与を渡せ」ということなんです。
つまり価値がない仕事をしていると給与はガクッと下がるし、価値がある仕事をしていれば給与はグーンと上がります。あなたが普段している仕事はどの程度価値があるでしょうか。
この制度がきっちり浸透したら、以下のようなことが起こりえます。
■「去年の自分より今年の自分の方が年収低い」
■「上司の〇〇さんより部下の▼▼さんの方が給与高い」
■「簡単な仕事をしている正社員よりガッツリ成績を残している派遣さんの方が稼いでいる」
などなど、仕事の価値で給与が決まるので年次や役職はほとんど関係なくなるかもしれません。
ここで、サラリーマンが気をつけなければならないことがあります。それは、「正社員はほとんど仕事を選べない」ということ。会社に勤めている人は仕事を探す必要がないことが1つ大きなメリットでありますが、逆に会社から指示された以上その仕事を断ることはほぼできません。比較的価値が低い仕事を任されてしまったらそれをやり遂げるしかないのです。しかもそれを卒なくこなしてしまったら「適正がある!」なんて言われてその仕事の担当を与えられます。担当になった後に「同一労働同一賃金」が始まったらあなたは給与の少ない仕事を担当していることになります。ただ担当している以上他の人にも任せられない。自分にしかできない低い給与の仕事をするしかないです。
それと、日本は長く「年功序列」と「終身雇用」の文化の中で会社が成長し続けました。今は徐々になくなりつつありますが、未だに名残がある会社は多いのではないでしょうか。この文化の最大の欠点は「会社にいるだけで将来が安泰する」という状態になること。仕事の質はともかく、会社に長くいればエレベーター式に給与が上がっていく。つまり、会社を自分が長くいやすい環境に整えることこそが一番の仕事だったのです。あなたの周りに、仕事はそこまでできないけど上司との関係性は抜群にイイ先輩いませんか?その方々は「会社にいるだけで将来が安泰する」時代の人たちだったのです。なので、仕事の出来よりも社内の関係性構築に一番力を入れていました。それらを成し遂げた人たちが今我々の先輩として働いています。この風潮は別に良いも悪いもないのですが、現代においてこの文化を残している会社は真っ先に淘汰されていくかもしれません。なぜなら今後は仕事の質で評価したいと国が言っているからです。同時に、この思考で働いているサラリーマンも真っ先に淘汰されていきます。逆に社内の関係性はともかくバリバリ仕事をしている人が今後増えていくかもしれません。それはそれで寂しいかもしれないですね。
長く話しましたがまとめると、「自分のやっている仕事の価値を上げていく」か「価値のある仕事を任せられるような人になる」ということを今後サラリーマンは意識するべきです。「価値」とはシンプルにその仕事がどれだけのお金を生み出しているかになります。お金は汚いものではなく、価値を表す共通の指標です。1時間で1000円分の仕事をする人よりも1時間で1万円分の仕事をする人の方が会社として価値のある人と捉えます。
正社員のボーナスはなくなる?!
「同一労働同一賃金」の話に戻します。
正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの
とありますが、逆を言えば「今まで、正社員とバイト・パート・派遣の間に不合理な待遇差があった」ということです。
これは言うまでもなく、正社員側が優遇されすぎていたということです。これらの待遇差を解消するということは、単純明快「正社員の待遇を下げて、バイト・パート・派遣の待遇を上げましょう」ということです。
つまり正社員の待遇は今後下がることが予想できます。
その待遇差で1つ声が上がっているのが「賞与・ボーナス」について。あまりバイトにもボーナスが出る会社って聞いたこと無いですよね。これを待遇差と捉えるなら企業は2択を迫られます。それは、「正社員にもバイトにもボーナスを出す」か、「正社員にもバイトにもボーナスを出さない」かの2択です。
仮に「どちらにもボーナスを出す」ということになっても、バイトにも支給する為に全体の支給額がならされて正社員側の支給額は減るでしょう。どちらの判断にせよ正社員はボーナスが減ります。
また、一応これは「同一労働同一賃金」という名の通り「同じ仕事してるなら同じ賃金にしろよ」という話なので、あからさまにバイトよりも自分は価値ある仕事をしているという人はあまり心配いらないかもしれません。ただ、これが浸透していけば正社員とバイトの待遇差だけでなく、正社員間での不当な待遇差なども解消されていくはずです。あなたが今している仕事は、部下のあの人よりも、年下のあの人よりも、価値のある仕事ですか?「待遇差解消」なんて言われてあなたの給与が突然減らされることもなくはないです。なぜならもう国がそれを目指しているから。企業もそれに乗じるしかないのです。
まとめると、「ボーナスをはじめとした正社員特有の待遇は今後なくなるかもしれない」ということです。
正社員がクビにされる時代?!
「同一労働同一賃金」を浸透する上で、「仕事の価値に応じて給与を渡す」ことになります。そうなると、「そもそも給与を渡せない人(雇用できない人)」も現れます。
「正社員がクビなんて、だいぶ先の話になりそうだなぁ」と思うかもしれませんが、これは既に始まっています。
日本最大の会社、トヨタが「今後終身雇用は難しい」と発表しました。
終身雇用できないということは、どこかでクビを切ることになります。
その他、「ファミリーマート」「LIXIL」「東芝」「コカ・コーラ」などなど日本の多くの大企業が早期退職希望者を募っています。早期退職とは、退職金などで多少優遇をつけることで会社を早く辞めたい方を募る制度です。つまり会社としては「お金を出してでも人を辞めさせたい」という状況になっているのです。もちろん、全ての企業がそういう考えでやっているわけではありませんが、そういう会社も多いです。また、今現在では雇用に関する法律がかなり厳しい為そんな突然クビにすることはできませんが、今後この制度も緩和されていくことが予想されます。というよりも、トヨタくらいの大きな会社が言っているのであれば国とある程度話し合った上で「終身雇用は厳しい」と発表したのではないかという憶測もあります。つまり、正社員をクビにできるよう水面下で準備は始まっているかもしれないのです。
もう日本の企業は労働者を一生雇用する安定性は無いです。
その際に企業はどのような人を求めるか。それは、「会社に支えられる人ではなく、会社を支える人」です。
会社の利益に貢献して、将来を見据えた行動をして、社内に様々な有益な情報を還元する人。そんなスーパーサラリーマンではなくても、そういった考えを持っている人やそういう人になろうとしている人を求めます。逆に、「自分は会社に支えられるだろう」と思っている人はガンガンリストラの対象になっていくのです。会社が誰にでもお金を出して仕事を与える環境は終わりに近づいています。今後は、会社側がお金を出してでも会社にいて欲しいと思える人でなければ、雇われることすら不可能になります。「正社員とバイトの格差解消!」以前の話です。会社に価値を与えられない人はそもそも正社員でもバイトでも雇用しないという時代が始まります。
自分が考える今後の生き方
「だから正社員でいることは危険だ!」というわけではありません。
今後は自分のする仕事の価値を上げていくことが重要になると考えています。
では散々言っている「仕事の価値」についてですが、これは【需要性×希少性】で価値が決まります。需要性があればあるほど、希少性があればるほど、仕事の価値は上がります。
まだ抽象的なのでちょっと例え話で説明します。「500mlの飲料水」で例えてみると…
①需要性高い・希少性高い → 《砂漠にある「500mlの飲料水」》
砂漠で飲料水を販売したらいうまでもなく需要もあるし、希少性もあります。需要があるのに数が少ないので1つのものが高額で売れます。1万円は固いでしょう。
②需要性高い・希少性低い → 《都会のコンビニにある「500mlの飲料水」》
たくさんの人が求めていますが、似たような商品がたくさんあります。需要があってもたくさんあるものは1つのものにそこまで価値は発生しません。100円くらいでしょうか。
③需要性低い・希少性高い → 《極寒の氷山にある「500mlの飲料水」》
寒すぎて冷たい飲み物を求めている人はほぼいません。その為需要性は少ないですが、飲料水はなかなか手に入らない状況のため何かの理由で欲しい人にとっては喉から手が出るほど欲しい代物です。わからないですが、100円くらいが妥当なのでしょうか。
④需要性低い・希少性低い → 《公園の水飲み場の隣にある「500mlの飲料水」》
なぜここで販売しようとしたのか。一度考え直してみて欲しい。隣には無限に無料で出てくる飲料水があります。しかも最近は公園で水飲む人も少ないように感じます。需要性も希少性もない、もう金額をつけて販売することも不可能でしょう。
結局何が言いたいのか、価値を上げるためにも「需要を見極めて自分の希少性を上げていこう」というお話です。
需要というのは世の中や会社の流れで生まれる為自分でコントロールはできません。会社にとって今何が必要なのか、世の中にとって今何が必要なのか、常に見定めなければなりません。
その需要を見極めたら、自分の希少性を上げていきます。希少性は「活かせるスキルを増やす」ことで上げられます。営業ができる・文章が書ける・事務処理能力が高い・サッカーが得意・ゲームが得意・面白い話をするのが得意・道に落ちている小銭を見つけるのが得意…などなど、どれもスキルで全て活かし方次第で大きな武器になります。誰かが「全体の平均よりできるのであればそれはスキルと言っていい」と言っていました。無理して自分のできることを増やす必要はありません。自分が平均よりできることを思い出して、それをどう活かすかが重要になります。
例えば…
■「会社が新規営業所を東北に建てたが東北に根差した営業をできる人を探している」という需要に対して、「営業経験もあって方言も話せる」という希少性を活かして親近感を湧かせる営業をする
■「事務のバイトさんがいなくなって事務作業ができる人を探している」という需要に対して、「Excel能力」という希少性を生かして事務処理を簡略化させる
■「YouTubeに広告を出したい」という需要に対して、「動画作成能力と今まで誰とも趣味を共感できたことがない」という希少性を生かして他にない尖った広告用の動画を作る
などなど、上げていったらキリがないです。
あと、そこまで考えるのが面倒な人は「需要があるところに行く」というのも1つの手です。飲料水の例で伝えた通り、「飲料水」という販売するものは何も変わっていないのに場所が変わるだけでこんなにも価値が変わることもあります。あなたの価値を欲している、需要のある環境がもしかしたら他にあるかもしれないのです。
まとめ
疲れた!!!!5000文字は初めて書いた!!!
最近ずっと文章にしたかったことだったんだけど、ようやく時間ができたので文章にまとめました。
自分は今24歳なのですが、この同一労働同一賃金がきっちり浸透する頃には自分たちの世代は何歳なんだろう?とか、その時仕事を辞めるとなって新しい人生始められるのか?とか色々考えちゃうのです。
今日会社に言って帰り際に上司から「あ、明日から来なくて大丈夫!今までありがとね!」なんて言われたとして、自分は翌日からどうやって生きていくんだろう、なんて考えていたんですね。
まぁ全て憶測ではあるのでどこまで現実になるのかわかりませんが、少なくとも自分は全て現実になると思っています。
いやぁもう疲れた。文章書くの疲れた。長かったぁ。タリーズの店員さん「いつまでいるんだろうな〜」とか思ってただろうなぁ。うん。
ここまで読んで下さりありがとうございました!
あなたの今日1日がいい日になりますように。
それでは!
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