見出し画像

フォアキャストとバックキャスト

未来を予測する方法にフォアキャストとバックキャストの2つの方法があります。

フォアキャストは、過去から現在の推移を見て、現在の延長にある未来を予測する方法です。
事実としてのデータが重要で、「天気予報」は典型的なフォアキャストです。
私自身も今までに、来年度のごみ量や税収、予算などを予測することがありました。予算であれば、まずは、昨年度の実績と今年度の予算を確認します。部下が、①昨年実績、②今年度予算、③来年度予算見込を表にして作成してきたとき、「②と③の間に『今年度決算見込』を入れた方がいいよ。」とアドバイスしたことがあります。予算は昨年の秋や冬に見積もったものなので最新と言えないことがあります。来年度の見込の前にまず今年度の見込をし、昨年度と今年度と来年度を連続的に捉えることで、予測の精度を高めました。

バックキャストは、まず、未来のイメージ(あるべき姿やありたい姿)を思い浮かべて、そこに現在を近づけていく方法です。
八王子市未来ビジョンを策定するための中学校区別ワークショップでも、地域の人たちで、あるべき姿・ありたい姿をまずイメージするバックキャストで話し合いました。バックキャストは未来を予測するというより、未来をつくりあげるというイメージです。現実に縛られ過ぎると限定された未来しか描けません。未来のイメージが現実を引っ張り上げてくれる、翼を与えてくれるような感覚は大切でしょう。

私が必要だと思うのが、「未来の描き直し」と「過去の捉え直し」です。ビジョナリーと言われるような強力なビジョンを明確に持てている人は、未来を描き直す必要はないかもしれませんが、少なくとも私は、「数年前は、ここまで辿り着けるとは想像もしていなかった。」ということも多く、未来を描き直すことが必要です。また、過去は変えられないと言いつつも、その過去の体験の意味は、リフレーミングされて大きく変わり、光輝くことがあります。過去を捉え直すことで、未来が変わることもあるでしょう。

「未来の描き直し」と「過去の捉え直し」をしながら、「バックキャスト」と「フォアキャスト」の両方を駆使して、未来に向かって前進していきたいです。

※フォアキャストとバックキャストについては、主に『進化思考』(海士の風社)を参考にしています。

いいなと思ったら応援しよう!