「仮説思考力」を使えていますか?
細谷功著『地頭力を鍛える』では、地頭力を鍛える基本的な思考力の1つに「仮説思考力」を挙げています。仮説思考力とは、端的に言うと「結論から考える」ということです。
① いまある情報だけで最も可能性の高い結論(仮説)を想定し、
② 常にそれを最終目的地として意識して、
③ 情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正して最終結論に至る
と説明しています。
大まかな着地点やゴール感をイメージしながら仕事に取り組むのとそうでないのとでは大きな違いがあるでしょう。
以前に取り組んだある業務で、進捗管理の方法について打ち合わせをしたときのことです。進捗管理の責任者の主張では、処理予定件数は報告日の直前でないと把握できないとのことでした。件数は進捗管理システムの集計ボタンを押さないと分からないというのです。
しかし、私はそれにどうしても納得できませんでした。集計ボタンを押すのは、あくまで「答え合わせ」です。
正確でなくても大まかな予定数が把握できていないとしたら、目標値もないということですし、各工程のうちのどこがボトルネックかも把握できていないということです。それは進捗管理ができていないということです。
件数を大きく左右するポイントが押さえられていれば、大まかな数字は把握できるはずです。それは、ボトルネックとなっている工程の一日当たりの最大処理能力が左右する場合もありますし、処理量に余裕がある時期は、一日当たりの受付件数が左右する場合もあります。
私は進捗管理表のサンプルを用意して、各工程のうち把握できる件数を見える化し、進捗率や受付から処理完了までの日数を把握できるよう少しずつ改善していきました。
算数や数学の問題を解くときも、いきなり計算し始めるのではなく、「だいたいこれくらいかな」と予想してから解いた方が良いことがあります。仮説を用意するのです。実際に解いた答えが予想とあまりにも違う場合の注意喚起になります。答えが「一桁違う」といったことを回避できます。
仮説を持ち、予想したうえで、ものごとに取り組み、そして検証し修正していくという姿勢は重要でしょう。そのようにありたいと思います。