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無意識に相手を否定することはあるか

「無意識に相手を否定していることはありませんか?どうしたらよいでしょうか?」という問いをいただきました。
これは難しい問題であると感じます。実際に、そういうケースを目にすることはあります。そして私もしている可能性があります。相手が率直に「否定されていると感じます」と言ってくれればありがたいですが、部下の立場では上司に言いにくいこともあるでしょう。家族同士でも大切なことを相手に伝えられないケースもあります。

たとえば、「特に否定の言葉は話していないですよ」と言っても、相手の話に全くうなずきもせず無反応だとしたら否定されたと感じることでしょう。
たとえば、「質問しているだけですよ」と言っても、いわゆる「どうして+否定形」や「どうして+否定形の過去形」の質問をされると否定されたと感じることがあるでしょう。「どうして確認しなかったの?」「どうしてちゃんと調べなかったの?」といった質問です。
たとえば、日頃、妻が夫に「読み終わった新聞は自分で片付けて」と言っているのに、夫が新聞を自分で片付けてくれなかったら、妻は夫に否定されたと感じるかもしれません。

否定するつもりはなくても、相手に労いや日頃の感謝や相手を承認する言葉をかけることなく、いきなり相手の改善すべき点や相手へのアドバイスを話してしまったら、相手は否定されたと感じることもあるかもしれません。

私は、ホワイトボード・ミーティング®︎というファシリテーションの認定講師をしています。9つのオープン・クエスチョンと8つのあいづちがあり、これらを駆使して質問をしているとき、相手を否定する可能性は少ないと感じます。そして、ホワイトボードに相手の言葉を書きとめることで承認します。

また、最近、私はギャラップ社認定ストレングスコーチになりました。ストレングスコーチとして根底にあるのは相手の強みを信じ承認することです。コーチングセッションでは、相手が自分の課題に気づくこともあるかもしれませんが、ベースとなっているのは、その人の強みへの着目です。

この問いのポイントは「無意識に」という点です。いかに自覚的になれるかです。そのときに、「否定している」ことに気づくより、「最近、相手を承認する、肯定することが減っている」ことの方が私は気づきやすいのではないかと思います。否定していることより、承認できていないことに気づき、自覚的になる方が、突破口になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

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