はぐくみ・うまれ・そだつ No.44"鼓動"
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先生は今から説明しますねと前置きをし話し出した。
「お母さん、びっくりしましたよね。今、赤ちゃんは一生懸命この世界で生きていけるように頑張っています。
まず、ご存じかもしれませんが肺の機能が未熟なのでその肺を拡げるお薬を投与しました。
それから皮膚が薄く脂肪も少ないので体温調節や水分の蒸発が著しく調節が難しいので保育器の中で保温・湿度もコントロールしています。
頭蓋内出血も起こしやすいのでそこもお薬などでコントロール。
免疫力も低いのでこちらに来る際はしっかりと清潔にしてきてください。
特にご兄弟が多いようなので一人でも体調不良の子がいたら面会禁止です。
あと、30週で体重も1532gと極低出産児ギリギリのラインです。
なので網膜剥離などのリスク等もふまえてそこもしっかりとケアーしていく予定です。
ほかにもいろいろなリスクが考えられますが僕たちもできることを頑張るのでよろしくお願いします。」と話された。
矢継ぎ早に話されほかの子のケアーに向かわれた。どれもこれもがリスク・・・果たして・・・大丈夫なんだろうか?頭の中がぐるぐる・・・。
戸惑っているわたしにパパさんはまずは「まずできることは休むこと。体を整えること。赤ちゃんは大丈夫。
また、おっぱいを三女ちゃんの時みたいに毎日届けよう。
あの子の時もNICUに通っていたじゃないか。そして周りの赤ちゃんたちはみんな元気に育っていったよね。
あの700グラムの赤ちゃんだって、あの後おおきくなって退院後に会えたでしょ。」
そこに看護師さんがきた。
「お母さん、先生の話に驚いたよね(;^ω^)赤ちゃんが元気に育っていくようにわたしたちと一緒に頑張ろうね。赤ちゃんに触れてみる?」
「えっ、触っていいんですか?」とパパさん。
「温度の関係もあるから、少しに時間だけど優しく触れてみて。なるべく短い時間で」
手が冷たくないか?大丈夫?とパパさんと確認。保育器の中の赤ちゃんにそっと触れた。
小さい手。太ももも細い・・・ひとつひとつ確認・・・。こんなに小さな命。胸に指をあてる。心臓の音は・・・小さいけど鳴り響いてリズムを刻んで伝わってくる・・・。生きている・・・。生きているんだ。この世界で一生懸命に生きようとしている。そのリズムに私の中にエンジンがかかった。
三女ちゃんの時の経験。私にできること。わかった気がした。
「生まれてきてくれて・・・本当にありがとう。」
心の底から出てきた言葉だった。
次につづく・・・
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