『清祓秘事』

神道の一大事は「祓ひ清め」にある。
「清め」に一歩近づく事は、 一歩「神」に近づくことだ。

すべての罪、咎、穢れは、 「祓ひ清め」によってこれを解除し、 之を清めて清浄の本体に復元できる。

修道の根本を「祓ひ清め」に置くことが、 神道の眼目である。

龍玉天玄真君も、 「修道は心を洗ふて魂を清む」 と教えを残されている。

紫龍仙真人も、 「祓清めを根底とせぬ修行は決して真の道力は得難く、  正しき道果を結び難し。  祓清めを基調とせぬ神拝祈念神事祭典は  決して正真の神祇の感応を拝するを得ず」 と厳訓しておられる。

清祓は即ち神にいたるの道、染穢は即ち邪神の禍事に感ずるの道だ。

神道の重要な清祓秘辞の一つに、 『神火清明、神水清明、神風清明』 (しんかせいめい、しんすいせいめい、しんぷうせいめい) という秘辞がある。
本来はこの後に十四字の秘言を唱え、三度息を吹きかけるのだが、 口伝であるからこれは秘す。 これにより邪気を祓い、本来の神性を取り戻すのだ。

また上記の秘辞には別伝があり、○○○○の四字を唱える伝もある。

伊邪那岐命も黄泉の穢れに触れ、一時霊徳を失われた。
穢れがあっては、神仙の守護も叶わない。
それ故に、修道の士は随時随所において、 気枯れを見たり、良からぬ言葉を聞いた時など、 この秘詞を秘唱し、短く息を三度強く吹くことにより、 自分とその場を清浄に保ち、神仙の守護を得ることができる。

先日も、ずっとまとわりつくような気を感じていたので、 タイミングを見計らって、 秘詞を素早く秘唱し、三度息を吹いたところ、 何故か一緒にいた知人が、自分を祓われたと勘違いし、 こちらも苦笑したということがあったので、 できるだけ人目を避けて修法するほうが無難だといえるだろう。

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古川陽明
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