祖母の家
赤いほおづき
祖父の好きだった青い祖母の杖
艶のある黒い仏壇
鈍い金のお鈴
薄暗い家屋の中で
ぼんやりと白い光を放つサボテンの花が
生を終えるのを黙って待っている
止まった記憶の中で
食パンみたいな色の柴犬だけが
毛並をふわふわとさせて
鼻をしっとりと濡らして
かちゃかちゃと音を立てながら
忙しなく板の間を歩いている
今はもう取り壊された祖母の家
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赤いほおづき
祖父の好きだった青い祖母の杖
艶のある黒い仏壇
鈍い金のお鈴
薄暗い家屋の中で
ぼんやりと白い光を放つサボテンの花が
生を終えるのを黙って待っている
止まった記憶の中で
食パンみたいな色の柴犬だけが
毛並をふわふわとさせて
鼻をしっとりと濡らして
かちゃかちゃと音を立てながら
忙しなく板の間を歩いている
今はもう取り壊された祖母の家
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