#ネトフリのアニメ感想①『サイバーパンク:エッジランナーズ〜男が残した愛と哀(あい)〜』
ビフです。
平沢ヌルさまの転生歴女に加えて、今日、2つめにお届けする感想は、Netflixオリジナルアニメ『サイバーパンク:エッジランナーズ』です。
こちらは『サイバーパンク2077』というゲームの前日譚として制作されたとか。それにしても、ものすごいカメラアングルの変化の応酬で、目まぐるしい戦闘にハラハラでした。
とにかく脳みそがぶっ飛ぶシーンは当たり前だし、放尿やヌードなどのシーンも加えて、過激の一言。オリジナルは海外制作のゲームだそうですが、日本の漫画キャラクターとアメコミを足して2で割ったようなデザインで、コミカルに動くのが楽しかったです(とくに戦闘狂のロリッ子ルーシーが可愛くて憎めません)。
ストーリーは、ハードボイルドでしたね。主人公のデイヴィットが母を喪い、アラサカの学校をケンカ退学して出世コースから転落。人体改造のすえに民間の傭兵、エッジランナーズとして仲間とキャリアを重ねていく。そのキャリアが硝煙と血の匂いの立ちこめる、破滅街道まっしぐらなんですが、だからこそ、こんなどうしようもなく野蛮で犯罪まがいのアウトローな姿に、美しい女性が似合うのかもしれません(それはヤクザの女が綺麗だ、とかいう意味ではとくにありません)。
きれいなハッピーエンドが期待できるお話ではありませんが、とにかくハラハラドキドキしました。デイヴィットとルーシーの関係にも、血と脳みそと汚物がほとばしる戦闘シーンにも、とにかくハラハラで。
視聴後の余韻には、ああ、、、観終わったなあ。という、感想ですね。嬉しいというよりも、エナドリのような刺激物を一気飲みして、ぷはあっ!っといった感じでした。
最終的にデイヴィットが命をかけてまで助けた最愛のひとは月へ行く、という夢を叶えるのですが、、、それはある意味、生物学的には理にかなったような生き方かもしれません。
デイヴィットの母は息子を残して死に、デイヴィットは恋人を守って逝く……。命と引き換えに、親は子を、オスはメスを守り、遺していく……(本来の生物学的な意味では、ルーシーに子をなす力は残されていないのかもしれませんが、そこは割愛されてください)。
最期まで戦い続けた、男よりも勇ましいレベッカ。ロリロリな外見とのギャップが激しくも、アダム・スマッシャーに砕かれた彼女の無惨な姿は、どこか虚しさを覚えます。
ハードボイルドとサイバーパンクはよく噛み合っているのですが、その行き着く先は、まぎれもない虚無。ハードボイルドを象徴するキャラクターには、その名前が「ボイルド(堅焼き卵の意味)」の元兵士が、冲方丁先生のマルドゥック・シリーズにいます。
彼もまた、破滅に向かって跳んでいく弾丸のようでした。
ネットの評判を聞くと「面白かった。それだけに、突っ走ったあとのロス感が激しかった」という言葉も聞きます。今、こう書いていて、最終的にハッピーエンドを迎えられない作品に対して、どれだけの賛辞を述べられるのかなあ、と考えていました。
基本的に、前向きなレビューを心がけているのですが、やはりこの作品は視聴後の脱力感とむなしさが激しく、、、また万人にオススメできるような内容ではありませんね。
それでも、観ている間は夢中になって観ていたし(それは、誘蛾灯に惹きつけられる蚊のような感覚で)、楽しめたといえば楽しめたのですが、作品として観てどうか?、というと、、、クエスチョンがつくお話でした。