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【食べ物の話】郊外のカフェで出会ったブラジルプヂン

昔、宮城にいたころ食べた忘れられない味がある。それがブラジルプヂン。

当時はカフェ巡りが流行っており(今も?)、県内各所のカフェをまとめたカフェ本なんかが発売されていた。
Instagramやカメラにはまっていた僕も流行にのってカフェ巡りを楽しんでいた。
一日に2軒か3軒のカフェ・喫茶店をめぐり写真に収めて珈琲を飲む。
Instagramに写真をのせてお店の情報交換をしていいねを押す、の繰り返し。

そんな中で、郊外のカフェの投稿が目に入った。
小さいけれど気持ちの良い明るい店内で、コーヒーやケーキが並んでいた。
そこの看板メニューがブラジルプヂンという聞いたこともないものだった。

写真を見ると、ドーナツ型の大きなプリンの下にココアパウンドの生地が敷いてある。どうしても食べてみたくて、友人を誘って繰り出した。

当時住んでいたのは仙台市で、東京ほど電車が多くなく、通勤は車を使っていた。
社会人になって初めて買った車はオレンジ色の中古のキューブ。
新しい型式になり顔が変わった時期だったが、一つ前の顔が好きだったのでそれを探した。
昔から乗り物酔いが酷く、どんな乗り物でも酔った。自分の視界と体で感じる動きが一致しないとすぐ気持ち悪くなる。車でも電車でも船でも酔った。
それでも自分で運転している時は平気だった。
自分で動きをコントロールしていたからかもしれない。
車を運転することは好きで、何かと理由をつけては車に乗っていた。

最初に写真を見たときは、プリンとスポンジ生地は合わないのでは?と思っていたが、食べてみると全然そんなことはなかった。
プリンはコンデンスミルクが練り込んであり、しっとりムッチリした食感。
スポンジ生地にたっぷりとカラメルが染み込んでヒタヒタになっている。
プリンは柔らかめより固めが好きなので、一口で好きになった。

そのお店以外では食べたことがなくて、10年以上口にしていない気がする。
東京でも食べられるお店があるようなので、山を降りて行ってみようかな。

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