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ぜつめつしたくない


「ぜつめつしたくない」
ある夜、子どもが寝る前にこう言って涙をぽろりと流した。

「ままとぱぱと〇〇(自分)と◎◎(妹)がぜつめつするのがこわい。ずっとよにんでいたい。」と。

かわいいなぁ。

「まだ、ぜつめつしないから大丈夫だよ。」とふわっとなんとなく安心できそうな言葉を選んで寝かせてしまったけれど。

ーーーよかったのだろうか。

明日、ぜつめつする可能性はゼロではないのよな。


ぜつめつ、という言葉を知ったのはきっと恐竜の話の中で、彼に限らず子どもたちは何度も問う、
「どうして恐竜はいなくなっちゃったの?」。
「いつ恐竜に会えるの?」。

巨大な隕石が地球に落ちてきて、植物が焼けて草食恐竜がぜつめつし、
それを食べていた肉食恐竜も生き延びることが出来なくなり、ぜつめつしたんだよ。…ね。

図鑑かテレビの受け売りで、何が何だか、わかったようで全くわかっていない「ぜつめつ」の過程を言ってみる。

そんな腑に落ちないところに現れたのが、Eテレ『デイナの恐竜図鑑』であ
る。デイナと恐竜は、こんにち共生しているのである。


こんな世界見てしまったら、恐竜がいないなんてどういうこと、と思う気持ちもわかる。いや、子どもたちはもしかしたら日頃、こんな気持ちで、こんなスケール感をイメージしてフィギュアを動かしているのかもしれないなぁ。

どうやったって、恐竜と人間の共生は無理なのだろうか。

もし一緒の時代を生きることが出来たら、たまには誰か食べられてしまうのかな(こわいね)。それとも、大きな檻に恐竜を入れて、動物園の一角に収めてしまうのか。

今月の『たくさんのふしぎ 恐竜の復元』(2023年12月号 第465号)によれば、恐竜の皮膚の色とか、まだまだわからないことが多いのだという。

子どもたちの興味や会いたい気持ちが、恐竜を身近にしてくれている。
まだまだ、私もぜつめつの時まで知りたいこと、やりたいことがたくさんあるよ。


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