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【社会考】明るい「明日」はあるのかな?.

0.「今日の記事のポイント」

☆「衣食足りて礼節を知ると、実質賃金はまたマイナスに落ちたよ」

☆「消費支出は3ヶ月ぶりにプラスになったよと、ここ30年間は経済は横ばいだよ」

☆「ここ30年間経済は横ばいだよと、どうすればよいのかな?と、こうやったらダメだったよ」

☆「高い成長はもうムリだよ、国民生活の充実をと、コロちゃんと明るい明日」

1.「衣食足りて礼節を知る」

コロちゃんは「清貧ライフ」を実践しているおじいちゃんですから、あまり「お金」にこだわることは美しくないという価値観の持ち主です。

しかし、それでは「お金に全く関心がないか」と言うと、そうではありません。ある程度の「生活費が確保できない」と、肝心の「清貧ライフ」も成り立ちません。

「衣食足りて礼節を知る※」という言葉がありますよね。意味は「人間は食べ物と着るものが充実して初めて礼儀・礼節をわきまえるようになる」というものです。

(※中国の管仲の思想を記した「菅子」に書かれた言葉)

だから「最低限の生活費」についての経済的な動向は、いつも強い関心を持ってみているのですよ。そこで今日は、先日に発表になったいくつかの「経済指標」を取り上げてみますね。

最初は「8月の実質賃金」と、それから「消費支出」を見てみましょう。

2.「実質賃金はまたマイナスに落ちたよ」

「厚生労働省」は、先日の10月8日に「8月の実質賃金」を発表しています。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「厚生労働省 実質賃金の動き」より

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408p/dl/pdf2408p.pdf
出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報より(10月9日利用)

上記のグラフは「厚生労働省」が発表した、2023年2月~2024年8月の「実質賃金」の動きです。

上記のグラフの真ん中(0.0記載)から、下の方の「細い黒のライン(△入り):30人以上」と「太い黒のライン(○入り):5人以上」が、物価上昇率を加味した「実質賃金」です。

下に書き出しますね。

◎「2024年実質賃金推移:前年比」

①「1月:-1.1%」
②「2月:-1.3%」
③「3月:-2.1%」
④「4月:-1.2%」
⑤「5月:ー1.4%」

⑥「6月:+1.1%」
⑦「7月:+0.3%」

⑧「8月:-0.6%」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408p/dl/pdf2408p.pdf
(厚生労働省:毎月勤労統計調査:令和6年8月分結果速報より:10月9日利用)

上記の「実質賃金」の動きは、5月まで過去最長の26ヶ月連続マイナスを記録した後に「⑥6月:+1.1%・⑦7月:+0.3%」とプラス転換をしています。

これは「ボーナス支給の影響」ですね。そして、その後の8月には「ボーナス効果も剥落して、再びマイナスに落ち込みました。

なかなか、思う様に進まないもんだなと、コロちゃんは思いましたよ。

ただ、コロちゃんは新聞を読んで思わず笑っちゃったことがありましたよ。

それは「日経新聞の上記の実質賃金マイナス記事の伝え方」です。第1報は10月8日付の「夕刊」で伝えられたのですが、翌朝の「朝刊の見出し」は伝え方がだいぶ違っていたのです。下に並べてみますね。

◎「日経新聞の実質賃金記事の見出し」

➀「10月8日夕刊:実質賃金小幅マイナス:8月0.6%減:賞与効果薄れる」

➁「10月9日朝刊:実質賃金プラス基調接近:0.6%減少もマイナス幅縮小傾向」

ほらね、なんというか「コップに半分の水があった時に『半分もある』と『半分しかない』の受けるイメージの違い」みたいですね。

上記の「見出し」を見比べると、「➀10月8日夕刊:実質賃金小幅マイナス」はネガティブイメージで、「➁10月9日朝刊:実質賃金プラス基調接近」はポジティブイメージですね。

伝えている中身の「ファクト」は同じことなのですけどね。

ただ「政府」の「酷暑乗り切り緊急支援」が、2024年8月使用分から10月使用分までとなっていますから、その効果が切れると物価上昇となり、今後「実質賃金」にはマイナスの影響がありそうですね。

コロちゃんが、あちこちのエコノミストの発言を見ていると、先行きは「実質賃金のプラス」を予想している方が多いですけど、コロちゃんは難しいと考えていますよ。

何しろ「非正規雇用者:2127万人(36.8%)※」が、安い給料で全体の数値の足を引っ張って下げていますからね。

(※総務省統計局:労働力調査:基本集計:2024年8月分より)

何しろ「非正規雇用者の平均所得は198万円※」ですからね(正社員は508万円)。「実質賃金」は全体の平均ですから、どうしても下がってしまうと思いますよ。

(※国税庁:令和3年分:民間給与実態統計調査より)

それを考えると、なかなか「実質賃金プラス定着」は難しいとコロちゃんは考えていますよ。

なお、この「実質賃金」が記載されている「厚生労働省の毎月勤労統計調査」を、お読みになりたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408p/dl/pdf2408p.pdf

3.「消費支出は3ヶ月ぶりにプラスになったよ」

「実質賃金」の次には、先日の10月8日に「総務省」が発表した「8月の消費支出」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「総務省統計局 消費支出の推移(二人以上の世帯)」より

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
出典:総務省統計局 家計調査報告 2024年(令和6年)8月分より(10月9日利用)

上記のグラフは、「総務省統計局」が発表した2022年8月~2024年8月の「消費支出の実質増減率の推移」です。下に書き出しますね。

◎「2024年消費支出」

➀「1月:ー6.3%」
➁「2月:ー1.2%」
➂「3月:ー0.5%」

④「4月:+0.5%」

⑤「5月:ー1.8%」
⑥「6月:ー1.4%」

⑦「7月:+0.1%」

⑧「8月:ー1.9%」

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
(出典:総務省統計局:家計調査報告2024年8月分より:10月9日利用)

上記の「消費支出」を見ると、2024年4月にやっと「プラス0.5%」に顔をプラス圏に出したのですが、その後は2ヶ月連続でマイナス圏に沈んでいます。

そして、その後にようやくプラス圏「7月:0.1%増」に顔を出したと思ったら、また水面下に沈み「8月:ー1.9%」となってしまいました。

こういうのは「千鳥足?」って言うのでしょうか。なんとも頼りない動きですね。

コロちゃんは、この「消費支出の動き」には、「高齢者世帯」の消費支出が伸びないことが関係していると思っていますね。関係するデータを下に書き出しますね。

◎「高齢者世帯(65歳以上のいる世帯)のデータ」

➀「高齢者世帯数:2580.9万世帯」(全世帯の49.7%)
(内閣府:令和5年版高齢社会白書より)

➁「重複のない年金受給者数:4023万人」
(厚生労働省年金局:厚生年金保険・国民年金事業の概況より)

➂「世帯主が65歳以上の世帯のうち約8割は無職世帯」
(消費者庁:令和5年版消費者白書:高齢者の消費行動より※)※https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2023/white_paper_131.html

普通に考えていれば「雇用者の実質賃金」が上がれば、そのまま「消費が増える」ように思いますよね。

しかし、コロちゃんは自身のような「無職の高齢世帯」もかなりの数いらっしゃることを知っていますよ。

今ポチポチと調べただけで、上記のように「➀高齢者世帯数(2580.9万世帯)」は、全世帯のほぼ半分に達しています。

その中の「(重複のない)年金受給者数」は、「➁4023万人」にもなります。もちろん、この中には「働く高齢者」もいらっしゃいますよ。

しかし「消費者庁」のデータでは、「世帯主が65歳以上の世帯のうち約8割は無職世帯」となっていますから、この方たちには「実質賃金の上昇」は何の関係もありません。

ですから今のコロちゃんと同じで「消費は増えない」と思われますよ。

なお、この「消費支出」が記載されている「総務省の家計調査報告」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

4.「ここ30年間、経済は横ばいだよ」

さて、上記では「実質賃金」が「少しマイナス」になったことと、「消費支出」も「少しマイナス」になったことを見てきました。

この様なデータは、足下の直近のものですが、ここでちょっと身を引いて、大きな目で「時代の動き」を見てみましょう。

下記のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「内閣府 一人当たり実質賃金の推移」より

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je22/h06_hz020105.html
(出典:内閣府 令和4年度 年次経済財政報告より(10月9日利用)

上記のグラフは「内閣府」が発表した1991~2020年の「1人当たり実質賃金の推移」です。「日本」以外に4ヶ国が記載されていますが、そちらはどうでも良いです。

コロちゃんが注目するのは、一番下の「赤いラインの日本」です。

上記のグラフは「1991~2020年の30年間のデータ」ですが、「日本の赤ライン」は横まっすぐでほとんど上昇していません。

「日本」は過去30年間に渡って、ほとんど「実質賃金」は上がっていないのです。

そして、次のグラフをご覧ください。内容は下に書き出します。

「独立行政法人 勤労者世帯の家計収支 1世帯当たり1ヵ月の収入と支出」より

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0602.html
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 早わかりグラフで見る長期労働統計より(10月9日利用)

上記のグラフは「独立行政法人:労働政策研究・研修機構」が発表している1963~2023年の「勤労者世帯の家計収支の推移」です。

「赤ライン」が「消費支出」です。これにご注目ください。

グラフの「バックデータ」を見ると、「消費支出のピークは1997年の35.8万円」です。

その後の2023年(31.9万円)までのほぼ30年間は横ばいどころか、やや低下していますね。

正に「失われた30年」とはよく言ったものですね。グラフを見ると全くその通りです。しかし、当時の日本が何も手を打たなかったわけではありません。

ここ30年間という期間、「日本の政治家」の方たちも一生懸命取り組んでいたのですよ。

5.「どうすればよいのかな?と、こうやったらダメだったよ」

それでは次は、今までの30年間に「日本経済」を浮揚させようとして、当時の総理が一生懸命取り組んだ結果失敗してダメだった政策を書いてみますね。

◎「過去に試してダメだった経済政策」

➀「1990年代の小渕総理の財政政策」

1990年代に「小渕総理」は、巨額の財政投入を行なっていて、「世界一の借金王です(1998年発言)」と記者会見で自嘲気味に答えていたのを覚えていますね。

その結果「政府」が赤字国債を出して、巨額の財政資金を投入しても効果がないことがわかりました。

➁「2000年代の小泉総理の聖域なき構造改革」

「聖域なき構造改革」で、政府の効率化を進めましたが、経済成長は出来ませんでした。

➂「2010年代の安倍総理のアベノミクス」

「異次元の金融緩和」を主張しましたが、10年間「金融緩和」をやっても経済は成長しないことがわかりました。

これらの3人の総理大臣は、これらの「政策」を推進しましたが、「経済成長率」が大きく上向くことはありませんでした。

➃「2020年代の岸田元総理の経済の好循環」

上記の➀~③のどれもダメだったことを横目で(※)見ていた岸田元総理は、さすがに同じことをやろうとは考えませんでしたね。

(※横目だったかどうかは確認されていません)

岸田元総理の「経済政策」は、「物価を上回る賃上げをすれば経済の好循環となり成長できる」としています。

現在の「石破総理」は、どうやら岸田元総理の経済政策を継承するようですが、まだハッキリとはわかっていません。

これらの「歴代の総理大臣の経済政策」の進行を、コロちゃんはすべてリアルタイムに見てきました。ですから、コロちゃんの体験からは「上記のやりかたではダメ」だと思っていますよ。

ああ、岸田元総理の「経済の好循環」は、まだ結果が出ていませんからまだわかりませんけれど、あと数年後には分かると思いますよ。コロちゃんはあまり期待できないと思っていますけどね。

6.「高い成長はもうムリだよ、国民生活の充実を」

今日は「明るい明日はあるのかな?」というテーマで、「実質賃金」と「消費支出」のデータから考察してみました。

上記で過去30年間というもの、どのような政策を進めても「日本経済」は、以前の「高い成長」には戻りませんでした。

現在の政界には、一部に「高圧経済」という「巨額の財政を投入して成長する路線」を唱えている方もいらっしゃいます。

しかし、そのやり方は1990年代に「故小渕元総理」が行なってダメだったやり方なのですよね。だめだったから、その後の「聖域なき構造改革の小泉総理」が出てきたのですよ。

そこでコロちゃんは考えたのですが、「日本経済の現状」は「既に高い成長は出来ない段階に到達している」のではないかということです。

だからコロちゃんは、「成長しないでも心豊かな生活」を目指す方が良いと思っていますよ。

コロちゃんはどうせ出来もしない「高い経済成長」よりも「国民生活の充実」を目指していただきたいと思っていますよ。

これについては、長くなりますからまた機会を改めて書くことにしますね。

7.「コロちゃんと明るい明日」

ここまで「日本経済の明るい明日」を考察してきましたが、やはり多く皆さんが心待ちにしているのは、ご自分の「明るい明日」だと思います。

最後にコロちゃんが若い時に考えていた「明るい明日」にちょっと触れてみますね。

若いコロちゃんが、妻と子ども2人と「4人家族」で生活していた1980~1990年代に望んでいたのは、「人並みの暮らし」でした。

その「人並みの暮らし」とは、周りの同世代の家族と同じ程度の暮らしになりますね。簡単に言えば「家があり車があり休日には家族全員で遊びに出かけられるような生活」です。

青年コロちゃんの時代には、そのような生活が「一生懸命に働いていれば誰しもが手が届く」と考えられていたのですよ。

その当時のコロちゃんの目には、確かに「明るい明日」が見えていましたよ。

それから、もう30年以上経ちましたが、その頃の記憶は「今のコロちゃんの大切な思い出」となっていますよ。

だから、今のコロちゃんは現在の若い方たちにも、同じような「明るい明日」が見れるような社会であって欲しいと思っています。

その為には、現在の「社会の制度」を時代の変化に合わせていろいろと変えなければならないと思っています。

コロちゃんは、どのように変えたならば良いのかを、今後も学びながら語りたいと考えていますよ。そして、これをお読みの皆様全員に、コロちゃんは「明るい明日が来る」ことを祈念していますよ。

コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。

このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)

おしまい。

CouleurによるPixabayからの画像


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