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[個人投資家のススメ] 第2回 日本一の投資家って誰? ポートフォリオのお話

こんにちは、あきこです。
前回は、資産運用のシミュレーションをしてみよう!ということで、パフォーマンスとリスクについてお話をしました。
今回は、もう少し踏み込みポートフォリオマネジメントについてお話してみようと思います。

日本一の投資家は、日本の年金を運用している機関(GPIF)です

なぁんだ、年金機構か、と思った方はごめんなさいです。でもこの年金機構(GPIFと言います)はとてもすごい機関で、運用資産は200兆円超と世界でも最大級の年金運用機関なのです。日本の年間国家予算が約100兆円ですから、約2年分の国家予算を運用している、と考えるとその規模のすごさがイメージできるかと思います。

主な先進国の年金運用機関の資産規模

巨額の資金を運用するGPIFは「機関投資家」に位置づけられます。そのほとんどが200社を超える外部の運用機関に委託されて運用されています。
この外部の運用機関は、世界でも名だたる一流金融機関だけですし、入手できる情報量や分析量も相当なものだと思います。そう考えると、個人投資家として活動を行うのであれば、こうした機関投資家の運用の動きは大いにお手本になるのではないかと思います。

巨大な機関投資家 GPIFどんな運用をしているの?

そんなGPIFですが、どんなふうに運用をしているのでしょうか。
下図は2022年末時点での資産構成割合(ポートフォリオと言います)となります。
大きく4つの資産に分けて分散し運用していることがわかります。

図 日本の年金運用機関(GPIF)のポートフォリオ
25%ずつ構成割合を分け分散投資をしています

参考までにノルウェーとカナダのポートフォリオを載せておきます。日本は債券の比率が高く、比較的リスクを抑えた運用になっているようです。

図 ノルウェーの年金運用機関のポートフォリオ
株式の運用比率が高いことがわかります
図 カナダの年金運用機関のポートフォリオ
投資対象のバラエティに富んでいることがわかります。債券の比率も低めです。

GPIFの運用目標は1.7%です(※賃金目標差し引き後)、実質的には3%前後といったところです。これを、「最低限のリスクで」運用する、というのが運用目標となります。(私達の年金が長期に維持することでき、そして将来 物価が上昇しても安定的に支給できるような運用が目指されています)

前回のNoteで、それぞれの資産のパフォーマンスとリスクの関係に触れましたが、GPIFもまたリスクを減らすために分散投資を行っていることがわかります。ちなみに、他の国の年金機構と比べると、日本の運用利回りはやや低めではありますが、変動幅が小さくリスクを抑えた運用ができていることがよくわかります。非常に優秀な運用をしているようです。

グラフ 主な年金運用機関の運用パフォーマンスのばらつきと平均値
日本のGPIFはパフォーマンスは低めであるものの、ばらつきが小さく抑えられています

そして日本よりもパフォーマンスの高い他の国でも、せいぜい5~6%であるということはぜひ知って頂きたいなと思います。

GPIFに学ぶ 個人投資の運用目標

ネットは投資で大儲けした情報で溢れかえっています。年利が20%、30%と謳っていたり、誰でも簡単に儲けられるという情報は、上記の情報と比較すると現実離れしていることがわかりますね。

誰でも簡単に投資で大儲けできるのなら、なぜ世界トップ機関投資家のGPIFがこんなポートフォリオで運用しているのか、に立ち戻って考えることをおすすめしたいと思います。そう考えると個人投資家としての運用目標も、まずは3%というところが現実的なのではないかと思います。

私のパフォーマンスの目標は3~5%です。今はネット証券での取引が簡単になったおかげで、個人投資家でも世界トップの機関投資家と同じような運用ができる時代になりました。ご自身でポートフォリオを考え、運用をしていくことをポートフォリオマネジメント、と言いますが、これが個人投資家でもできるということです。

次回はポートフォリオマネジメントについて

いかがでしたでしょうか。今回はGPIFとポートフォリオについてのお話でした。次回ではそのポートフォリオをどのようにマネジメントするのかの考え方について整理していきます。お読み頂きありがとうございました。



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